確率6700万分の1以上の奇跡 56歳のレッスンプロが2ホール連続ホールインワン/全米シニア

スコアカードと記念撮影したフランク・ベンセル(Kathryn Riley USGA)

◇シニアメジャー第3戦◇全米シニアオープン 2日目(28日)◇ニューポートCC (ロードアイランド州)◇6954yd(パー70)

海外シニアメジャーで“奇跡的”なプレーが飛び出た。56歳のフランク・ベンセルがホールインワン2連発の快挙を達成した。

前半4、5番と連続するパー3で立て続けにエースを決めた。「1つ目は本当にうれしくて“今日はアンダーパーで回れるかも”と思ったけど、2つ目は…。ただただ信じられなかった。あんなことが起こるなんて…。ボールがいいところに落ちたと思ったら、転がり始めて。みんな信じられなかった。頭がおかしくなりそうだった」と会見で話した。

ベンゼルは初日5オーバー「75」の出遅れを取り戻そうと、この日はアウトの第1組でスタート。1つ落として迎えた4番は打ち上げの184yd。メジャー11勝で世界ゴルフ殿堂入りの名手ウォルター・ヘーゲンから命名された、キャディでのヘーゲン君が7番アイアンを勧めたが、ベンゼルは6番アイアンを選択。203ydの5番のティショットも6Iだった。

「家族や友達も大勢来ていて、みんな熱狂していた。一緒にプレーした仲間も同じで、みんな信じられなかった。すごかったよ」とキャリア13度目と14度目のホールインワンを振り返った。

息子のヘーゲンくん(左)と会見に出席(Kathryn Riley USGA)

全米ゴルフ協会(USGA)によると、同じラウンドで2つのエースを出す確率は6700万分の1。連続エースの確率は記載されておらず、全米オープンなどを主催して129年になるUSGAの競技の歴史上、初の“奇跡”となった。なお、国内女子ツアーでは山路晶が2021年「リゾートトラスト レディス」2日目に女子ツアー史上初となる1ラウンド2度のホールインワンを記録している。

ベンゼルはフロリダでレッスンプロとして生計を立てている。メジャー出場経験はレギュラーで全米オープン1度、全米プロ3度、シニアで全米プロシニア2度あるが、本大会出場は初めて。また米ツアーでは6試合のプレー経験があるものの、獲得賞金はゼロ。シニアでもわずか2試合で5000ドル(80万円)にとどまっている。

この日はエース2個のほかにバーディ、イーグルはなく7ボギーで「74」。通算9オーバーで予選落ちを喫したが「これは明らかに永遠に記憶されるだろう。これがキャリアのハイライトかもしれない」と歴史的な一日を総括した。

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