ダブルス戦は得意? “駆け引き”さえる西郷真央が首位と2打差

ショットの感覚は悪くない(撮影/亀山泰宏)

◇米国女子◇ダウ選手権 2日目(28日)◇ミッドランドCC(ミシガン州)◇6256yd(パー70)

後半8番、西郷真央のペアはこの日初めてと言っていいピンチを迎えていた。パートナーのソン・ユジン(韓国)がティショットを左の木に当て、続けて打った西郷の1打目も大きく右へ出た。

2打目の距離は相手の方が残っていたが、声をかけて西郷が先にセカンドを打った。UTを握った一打は、目の前の木をかわしつつグリーン方向を狙うインテンショナルスライス。ガードバンカー近くのラフまで達したことを見届けたソンも、果敢にグリーン手前のセミラフまで持っていった。

西郷真央(右)がソン・ユジンとのルーキーペアで「61」をマーク(撮影/亀山泰宏)

「本来は彼女(ソン)が先なんですけど、彼女も狙うかレイアップするか、すごくタイトなところだった。私が先にグリーンまで運べたら、トライできるっていうところ(の判断)でした」。3打目もソンが “OK”の距離に寄せた後、今度は西郷がチップインだけを狙った攻めのアプローチを披露。結果はパーでも、ペアのそれぞれがプレーしてホールごとに良い方のスコアを採用するフォアボール方式のフォーマットを存分に生かした。

積み重ねた9個のバーディも2人のプレーがかみ合ったもの。スタートの10番で西郷が3mのチャンスを生かしてバーディ。続く11番(パー5)も3打目を絡めて2連続とした。終盤は5番、7番(パー3)とソンが長いバーディパットを沈めた。直接スコアにつながっていない場面でも、ソンがしっかりグリーンを捉えてくれる分、バーディパットでいつも以上に強気に攻めていけたことが大きいとうなずく。

バーディラッシュで2桁アンダーに乗せた(撮影/亀山泰宏)

2021年には国内ツアー対抗戦の「3ツアーズ」でMVPにも輝いている西郷。「あの時はモネちゃん(稲見萌寧)と、お互い調子がいい時期でプレーできていた。もちろん難しかったけど、すごくいいイメージはあった。この(ペアでの)戦い自体はすごく好きだなと思います」と少しだけ自信もにじむ。

「61」で首位と2打差の通算10アンダー9位に浮上。「あしたのオルタネート(フォアサム)のスコア次第ではホントに(上を狙える状況も)考えられると思うので、しっかりマネジメントして、いいプレーができたら」。冷静さを残しつつ、前のめりで言った。(ミシガン州ミッドランド/亀山泰宏)

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