35歳の会社員、母が「年金生活」になりました。「お金のことは心配しないで」と言われていますが、年金って「月6万円」くらいですよね? 不自由していないか心配なのですが、仕送りなどすべきでしょうか…?

みんなは親への仕送りってしているの?

厚生労働省の「令和4年国民生活基礎調査」によると、5431万世帯のうち、親のみへ仕送りをしている世帯は104万7000世帯、子どもと親へ仕送りをしている世帯は9万1000世帯です。割合としては、親に仕送りをしている世帯は全体の約2%となります。

また、仕送り額の平均は親のみの場合は5万6000円、親と子どもへの場合は13万4000円です。親に仕送りをしている世帯の割合は決して多くはありませんが、している場合の負担は軽くはないでしょう。

老齢基礎年金は満額でも毎月7万円程度

母親が老後にもらえる年金の金額は、若い間の働き方によって異なります。高年収の会社員だった場合、老後にもらえる年金も比較的多い可能性がありますが、例えばパートで所定の年収以下だった場合などは、会社員だった場合ほどはもらえません。

今回は母親が短時間のパートで収入が所定の年収以下で厚生年金には加入していなかったとして検討を進めます。この場合、母親は老後に老齢基礎年金のみ受給します。

将来受け取れる老齢基礎年金の金額は、受給資格期間などの「要件を満たしているかどうか」で決まり、2024年度の満額は年間で81万6000円です。そのため、老齢基礎年金のみを受給する場合、1ヶ月当たりの受給額は満額でも7万円弱くらいです。

老後に必要な生活費は平均で16万円程度

収入があまりないとしても、支出も少なければ生活は大丈夫かもしれません。老後に必要な生活費は人それぞれですが、今回は総務省の「家計調査報告〔家計収支編〕 2023年(令和5年)平均結果の概要」を参考にしていきます。

同調査によると、65歳以上の単身無職世帯の支出の平均は月額で15万7673円です。なお、この金額はあくまでも平均であり、例えば住居費はだいたい1万円となっていますが、賃貸アパート住まいの場合はこの平均よりも高くなる可能性が高いでしょう。

まずは仕送りが必要かどうかを見極めよう

年金が7万円、生活費が16万円と想定される場合、すぐにでも仕送りをして母親を助けてあげたいと思う人もいるでしょう。その気持ちは大切ですが、親が大丈夫といっているのであれば、実際困ってない可能性もあります。

働いていたころに貯蓄をかなりしていたり、個人年金に加入していたり、実は今も内職などで稼いでいたりするかもしれません。親としてはそこまで困っていない中、子どもから過度に心配されたくない人もいます。

取りあえずはまめに連絡をとったり、たまに一緒に食事に行ったりしながら様子を見つつ、やはり生活が厳しそうだと判明した時点で援助するというのが良いのではないでしょうか。

出典

厚生労働省 令和4年国民生活基礎調査 世帯
日本年金機構 老齢基礎年金の受給要件・支給開始時期・年金額
総務省統計局 家計調査報告〔家計収支編〕 2023年(令和5年)平均結果の概要

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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