ひさびさの旅行で鎌倉に行ったら、ホテルが「1泊2万円」になっていて驚愕! コロナ禍前は「8000円」だったのに、これってインバウンドの影響? 宿泊料の推移を解説

旅行の時に旅館・ホテルの1泊あたりの宿泊費とは?

旅行の時に旅館・ホテルの宿泊費にかけている割合について確認してみましょう。2021年株式会社日本能率協会総合研究所が調査した結果が図表1のとおりです。

図表1

株式会社日本能率協会総合研究所 消費者動向②:旅館・ホテル業編より筆者作成

旅行の際の宿泊費は「5000円~1万円未満」としている割合が多く、次いで「1万円~1万5000円」「1万5000円~2万円未満」となっています。同調査でビジネスの際に利用する場合の宿泊費が「5000円~1万円」の割合が71.8%となっていることから、旅行の際にはビジネス時よりもいいホテルに泊まりたいと思う人が多いのが分かります。

宿泊費が軒並み上がっている理由とは?

宿泊費が上がっている理由として以下の2つが挙げられます。

__・インバウンドで海外の観光客が増加していること
・ホテル側のコストが上がっていること__

それぞれ見ていきましょう。

インバウンドで海外の観光客が増加している

ホテル代が高い要因のひとつ目として、円安の影響で海外から日本に旅行に来る人の割合が多いことが挙げられます。観光庁によると、2024年4月の外国人の宿泊数は1315万人となっており、この人数は前年同月比で38.1%も増えているのです。訪日外国人が増えたことで、ホテルの稼働率が高まり、客室単価が上昇していると考えられます。

ホテル側のコストが上がっている

人件費や水道・光熱費といった費用がかさんでいることも宿泊料の値上げの理由といえるでしょう。感染症問題が落ち着いてきた2023年5月時点で、宿泊業や旅行業はコロナ禍以前を上回る水準まで回復しています。

当然のことながら、利用人数が多ければ多いほど、ホテルの水道・光熱費や電気代といったホテルの支出負担が大きくなります。支出が増えれば、宿泊料を値上げせざるを得なくなるというわけです。

国内・観光地などの宿泊費の値段の推移

コロナ禍前と比べてどのくらい宿泊料が上がったのか、気になる人もいるでしょう。宿泊業界のDX化や集客を支援するメトロエンジン株式会社の調査から価格差を見ていきましょう。今回想定するホテルは、主要都市のビジネスホテル・シティホテルです。推移の結果は図表2のとおりです。

図表2

メトロエンジン株式会社 ビッグデータを活用し宿泊業界のDX化を支援するメトロエンジンが2023年5月度の全国主要都市のビジネスホテルの平均価格を公開より筆者作成

2019年と比べて価格が下がっている地域もありますが、ほとんどの都市の宿泊料が上がっています。一番価格が上がっている都市は京都で、その差は約3000円にもなっています。コロナ前の2019年の時と比較すると、全体的に1000円以上宿泊料が上がっているといえるでしょう。

ホテルの宿泊費は全体的に上がっていることを想定して、宿泊料を多めに見積もるようにしよう

インバウンドやコスト増大により、ホテルの宿泊料が上がっていることを解説しました。価格差が大きい都市だと5年前の2019年と比べて約3000円も上がっています。旅行やビジネスの際にホテルを利用するときは、宿泊費を多めに想定しておくとよいでしょう。

出典

株式会社日本能率協会総合研究所 消費者動向②:旅館・ホテル業編
観光庁 宿泊旅行統計調査 (2024年3月・第2次速報、2024年4月・第1次速報)
メトロエンジン株式会社 ビッグデータを活用し宿泊業界のDX化を支援するメトロエンジンが2023年5月度の全国主要都市のビジネスホテルの平均価格を公開

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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