【早出し】真筆の書簡など200点紹介 尾花沢で芭蕉来訪展

松尾芭蕉の真筆などを紹介する「芭蕉来訪展」=尾花沢市、芭蕉・清風歴史資料館

 「おくのほそ道」紀行で尾花沢を訪れた俳人・松尾芭蕉と、交流のあった尾花沢の紅花商人・鈴木清風にちなんだびょうぶ、掛け軸など約200点を紹介する「芭蕉来訪展」が、尾花沢市の芭蕉・清風歴史資料館で開かれている。

 芭蕉は1689(元禄2)年5月17日(新暦7月3日)に山刀伐(なたぎり)峠を越えて尾花沢に入り、10泊11日滞在した。芭蕉真筆の書簡「岸本八郎兵衛宛消息」2通は、羽黒山で親交を深めた染め物職人・近藤左吉(俳号・呂丸(ろがん))が数年後に旅先の京都で急死したことに驚き、呂丸と同郷の藩士・岸本に訃報を伝える内容になっている。笹原晋一館長は「筆致は細やかで、芭蕉の人柄をうかがい知ることができる」と話す。

 清風が選者となり30代で編んだ俳諧書もあり、芭蕉が「桃青」の名で詠んだ「郭公(ほととぎす)まねくか麦のむら尾花」の句も収録されている。ほかに清風家に伝わる柿本人麻呂木像も展示されている。7月9日まで。

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