バイキングス相手のシーズン初戦でジャイアンツの「回復力」を示したいLBティボドー

ニューヨーク・ジャイアンツのケイヴォン・ティボドー【AP Photo/Susan Walsh】

ラインバッカー(LB)ケイヴォン・ティボドーはニューヨーク・ジャイアンツで迎えるキャリア3年目が巻き返しのシーズンになることを願っている。

6勝11敗で終えた2023年を経て100年目のシーズンに向けた準備を進めるジャイアンツだが、クオーターバック(QB)ダニエル・ジョーンズやヘッドコーチ(HC)ブライアン・ダボールを含むジャイアンツの多くは、2年前のポストシーズン進出がビッグブルー(ジャイアンツの愛称)の実力に近いことを証明しようする中で、後(あと)のなさを感じるだろう。

チームトップのサック11.5回をマークして昨季を締めくくったティボドーは、スタートダッシュが成功への近道であることを理解している。

現地28日(金)に配信された『The Insiders(ジ・インサイダース)』に出演したティボドーは『NFL Network(NFLネットワーク)』のトム・ペリセロに、シーズン第1週に対戦するミネソタ・バイキングス戦でジャイアンツが印象を残すとして何を期待するかと問われ、「回復力、フィジカル、スピード」と返している。「以前にそうしていたように、すべてを生かしてプレーする。今年はジャイアンツの100周年記念だから、先輩たちから受け継いだスーパーパワーを発揮させたい」

前回、ジャイアンツがバイキングスと対戦したのは番狂わせの勝利を収めた2022年シーズンのワイルドカード週末であり、納得のいく形でバイキングスを倒すことはジャイアンツにとって好調の波に乗れる可能性を示すものとなるかもしれない。

そのバイキングスはQBカーク・カズンズがチームを去って新しいクオーターバックを迎えるなど当時とは大きく異なるロースターをそろえているが、大きく変わったのはジャイアンツも同じ——願わくは良い方向に進んでいることが期待される。

昨シーズン、ジャイアンツは攻守両面における問題を克服できず、得点ランキングでオフェンスが30位、ディフェンスが26位の成績だった。

とりわけランニングバック(RB)セイクワン・バークリーが今オフシーズンにライバルチームであるフィラデルフィア・イーグルスに移籍したことを考えれば、ACL(前十字靭帯/ぜんじゅうじじんたい)断裂からの復帰に向かいながらも来年には契約が切れる可能性のあるジョーンズがオフェンスの立て直しにおいて最も責任を負うことになるだろう。ティボドーはオフシーズンプログラムを通じて、ジョーンズがこれまで以上に積極的なリーダーシップを発揮していたと指摘している。

ディフェンス面では、ディフェンシブタックル(DT)デクスター・ローレンス、ティボドー、そして新たにカロライナ・パンサーズから大型トレードでジャイアンツに加わり、ティボドーのパスラッシュパートナーとなったLBブライアン・バーンズに期待が寄せられている。

ティボドーはバーンズの加入について「そりゃあ、ワクワクしている。本当に楽しみだ。俺とブライアンは体型が似ている。プレースタイルも似ている。でも、彼は少し違う。向こうの方が速くて機敏だ。知っての通り、彼は俺よりキャリアを積んでいるから、いろいろな秘けつを教えてもらっている。それで俺のプレーも少し向上したし、彼と競い合ったりしながら、俺が知っていることもいくつか教えているし、今のところ、本当にいい感じだ。これからどうなるかが楽しみだね」とコメントした。

ティボドーとバーンズがお互いにアドバイスし合う一方で、ローレンス・テイラーから吸収できるものをすべて吸収することも2人にとって有益だろう。たとえ、ジャイアンツのレジェンドLBであるテイラーがティボドーはすでに成功に必要なものをすべて持っていると本人に伝えていたとしても、だ。

先週、ジャイアンツの伝説的な選手たちが集まるイベントでテイラーと話したときのことについて、ティボドーは「おもしろいことにね、こういう会話をするときって、いつも何かを求めているんだ」と振り返り、次のように続けた。「相手がレジェンドなら、“どうやってやったの? 秘けつは?”って聞きたくなるものでしょ。おもしろかったのは、L.T.(ローレンス・テイラー)に“秘けつは何?”って聞いたとき、変な顔をしながら、“そんな秘けつなんてないし、そんなことよく分かってるだろ”って言うんだ」

「このレベルまで来ると、子どもの頃に教わったのと同じことをやっているって気づくからおもしろいよね。一生懸命に頑張ること。誠実であること。地道な努力をすること。何も変わらない。違うのは、もう少しだけ真剣に取り組んで、もっと努力するくらいで、それ以外はアスリートとしてのツールはもう持っている。ただ、それを使い続けて、ベストを尽くすだけなんだ」

ティボドーと他のジャイアンツの選手たちはこの春にロースターを入れ替えた後で、そうしたツールを手に入れることができた。

プレーオフに再び進出できるようにジャイアンツがそのツールを生かせるかどうか、そのカウントダウンは続く。

【KO】

© NFLJapan.com