会議中のメモを「スマホ」で取るのはNG? 実際「紙にメモ」よりスマホのほうが効率的なの? メリット・デメリットもあわせて解説

メモはスマホがあたりまえ?

ソニー生命が2024年に行った調査によれば、社会人1年生と2年生の7割以上がスマホやタブレットでのメモを「アリ」と答えています。若い世代にとって、スマホでメモを取ることが当たり前の習慣になりつつあるようです。
しかし、スマホでメモを取ることは、利便性もある一方でいくつかのリスクも伴います。

スマホでのメモの便利な点

スマホでメモを取ると、以下のような便利な点があります。

__●ペンで書くよりスマホに文字を打つほうが早い
●議事録を作る場合、スマホのメモをそのままコピーして編集ができる
●急いでメモに書くと誤字や脱字で読めなくなることもあるが、スマホなら防げる__

このように、スマホなら手書きのメモよりもスピーディーに作業が進められると考えるようです。特に、メモをそのままコピーして編集できるのは大きなメリットでしょう。手書きしたメモの内容を別の文書に再入力する手間が省けるため、効率的であるといえます。

スマホでのメモの危険な点

一方で、スマホでメモを取ることによるリスクもあります。

まず、機密情報や個人情報などをスマホに記録した場合、紛失や不正アクセスでデータが流出してしまう恐れがあります。情報管理の上で、大きな不安となるでしょう。

また、会議中にスマホを操作していると、周りからは「本当にメモを取っているのか」の判断がしにくくなります。上司や取引先から「ただゲームやSNSをしているように見える」と不審な目で見られかねません。これでは、上司や取引先との信頼関係に悪影響を与えてしまう可能性もあるでしょう。

スマホ利用は状況に応じて許可しよう

ただスマホを一切使わないのは現実的ではないかもしれません。状況に応じて使い分けることが大切です。

例えば以下のようなルールを社内で検討するとよいでしょう。

__●社内の会議や一般的な打ち合わせ程度なら、スマホでのメモを許可
●取引先との商談や重要な会議では、紙のメモ帳を使用
●機密情報はスマホには保存せず、専用ノートに記録
●会社支給のスマホのみ利用可能
●スマホでメモをする際は事前に申告が必要__

スマホの普及で働き方は変わりつつあります。個人のスマホであっても、プライベートな利用に限らず、仕事上でも活用しようとする若者はいるでしょう。「人前で携帯やスマホを触ることは失礼なこと」と言われてきた中高年世代にとっては、育ってきた時代背景が異なるため、すぐに理解するのは難しいかもしれせん。

そこで、時代変化に合わせつつ、リスクを最小限に抑えるためのルール作りが欠かせません。ルールを周知徹底し、全社員で理解を深めることが何より重要です。

スマホを利用する部下に対しては、スマホでメモを取る際のリスクと注意点をしっかりと伝え、紙とペンによる手書きのメモも併用するように指導するとよいでしょう。

出典

ソニー生命 社会人1年目と2年目の意識調査2024

執筆者:渡邉志帆
FP2級

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