蓮舫氏、神宮外苑再開発は「都民投票で声を聞く」新たな公約を発表。実施されれば都政初

東京都知事選(7月7日投開票)に立候補している蓮舫氏が6月29日、神宮外苑再開発の問題について「都民投票を実施する」という新たな公約を発表した。

実現すれば、都政初の都民投票が行われることになる。

神宮外苑で記者団を前に新たな公約を発表した蓮舫氏(2024年6月29日)

なぜ都民投票を公約にしたのか

蓮舫氏は神宮外苑で記者団の質問に答え、「都民投票で都民の声を直接聞く」と述べた。

神宮外苑は風致地区として守られ、本来は高層ビルを建てられない場所だった。

しかし、東京都が「公園まちづくり制度」を適用したことで、高層ビル建築が可能になった。

再開発計画では、樹齢100年の大木を含めた多くの樹木を伐採して野球場やラグビー場を建て替え、185メートルの高層ビルを建築する。

蓮舫氏は「住民の声を十分に聞かないまま公園まちづくり制度が適用され、それまで厳しく守られていたこの公園の規制が緩和をされた」「気候変動の時代に、100年育ってきたこの緑を、森を本当に壊していいのだろうか」と述べた。

しかし、神宮外苑の再開発はすでに現職の小池百合子都知事が認可している。蓮舫氏は、計画を見直すためには都民の声を直接聞く必要があると述べた。

「これを止めるには、都知事が事業者と直接交渉して、ご理解を頂かなければいけません。そのために、都民の考えを都知事選の後半戦で問いたい」

事業者とも話し合いたい

小池氏は再開発について「神宮内苑の杜の維持管理のために、外苑を再開発する必要がある」と主張している。

蓮舫氏はこの点について、「明治神宮が内苑の杜の維持管理に大変だから外苑を再開発するのであれば、直接お話を伺いたい」と述べた。

「内苑を守るために外苑を潰すのか。両方を生かしていく方法を模索しませんかという話し合いをしたいと思っています。神宮球場や、秩父宮ラグビー場の老朽化問題にも都がコミットすることで、解決策を導き出すことが可能だと思います」

蓮舫氏は都知事に選ばれた場合、都民投票のための条例を作り、都議会に提案することを考えているという。

また、都民投票は神宮外苑再開発について問うものだが、国際都市東京のこれからの持続可能な開発のあり方を含めた象徴的なものにしたいという考えも語った。

「市民に開かれた空間を目先の利益のために壊していいのだろうか。気候変動対策に逆行し、巨大なビルのために、緑の公園を削っていいのだろうか。誰もが憩える公園をお金がないと楽しめない場所にしてしまっていいのだろうか。1400万人、都民に意見を伺いたいと考えています」

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