宅配便の10件に1件が「再配達」 年間“6万人分の労働力”に相当 トラックドライバー不足の中で「置き配」呼びかけ 最新グッズは【物流2024年問題】

「配達の人に申し訳ないと思う…」宅配便の約1割が再配達

10.4%…。これは宅配便の「再配達率」を示した数字です。国土交通省のまとめでは、年間の宅配便個数は全国でおよそ50億600万個(2022年度)。そして今年4月のデータでは、年間宅配戸数のおよそ1割が「再配達」になっています。

再配達にかかっている負担を労働力に換算すると、ドライバーおよそ6万人分に相当するといいいます。

宅配便の「再配達」について街の声を聞きました。

女性
Q、再配達の経験は?
「しょっちゅう…(苦笑い)」「配達員が来たときは丁寧にお礼を言う」
Q、申し訳なく思う?
「申し訳なくなる…」
夫婦
「申し訳ないなと思う配達員のことを考えると。うちだけではないので…」
「うちは階段で上がらないといけない3階まで」
別の夫婦
Q、どんなとき再配達になる?
「自分が仕事で不在のとき…」
「自分が注文していないお歳暮・お中元などはいつ来るかわからないので再配達になる。自分が注文したものは時間指定で家にいるようにしている」
小さな子をもつ母親
「この前急遽この子が熱を出してしまい病院に行かないといけなくなって再配達になってしまった」
「外出するときは受取り時間の変更をするが急用で難しいこともある」

トラックドライバー不足の中で 国も呼びかけ「置き配」最新グッズ

トラックドライバーの人手不足が深刻化する中で、国は再配達を削減するため「宅配ボックス」や「置き配」などの利用を呼びかけています。2024度中に再配達率を6%まで引き下げることを目標にしています。

宅配大手のヤマト運輸も6月10日から宅急便などの受取り方法に「置き配」を追加しました。県内のショッピングセンターでも「置き配」に関連する商品が並んでいます。

カインズ広島LECT店では、配達員に置き配を依頼するプレートや宅配ボックスなど「置き配」関連商品を取り扱っています。国土交通省が実施したアンケートでは「置き配」で盗難などを心配する意見も多く、防犯面が課題となっています。

梅川千輝記者
「こちらの宅配ボックスは鍵がついています。配達員が荷物を中に入れてこのボタンを押すとロックがかかって取り出せなくなります」

このほかにもイスとしても使える宅配ボックスやポスト型のボックスなど機能性やデザイン性を意識した様々な商品が並んでいます。カインズは「置き配関連商品の需要は緩やかに増えていて、今後もニーズに合わせた商品を取り揃えていきたい」としています。

「置き配」については盗難のほかにも、「置き配」をすることでその時間家を空けていることが周囲にわかってしまうため、セキュリティーの面で心配という声もあります。

一方で、ドライバーの人手不足や配達員の負担のことも利用者も考える必要があります。ネットショッピングなどで宅配便を利用する機会も増えているので、「再配達」というロスを少しでも減らして、物流サービスを社会全体で支えていくことも大事なようです。

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