「ぱーてぃーちゃん」すがちゃん最高No.1「赤髪坊主で友人の母をナンパ」破天荒すぎた授業参観での父

(撮影:高野広美)

お笑いトリオ「ぱーてぃーちゃん」すがちゃん最高No.1さんが、中学生時代に一人暮らしを始めることになった体験を記したエッセイ『中1、一人暮らし、意外とバレない』(ワニブックス)を刊行。Amazon「タレント本総合」で1位を獲得するなど、話題となっている。

今回はすがちゃん最高No.1さんが、中学生1年生で一人暮らしを始めることになるまでの経緯を、インタビューマン山下が聞いた。

授業参観で友達の母をナンパした父

――すがちゃんは3歳で母親と死別後、父親と祖父母と伯母の5人で暮らしていたそうですが、中でもお父さんが破天荒な方だったそうですね。

すがちゃん最高No.1(以下・すが):酒に、女に、タバコに。まさに「THE豪快」みたいな感じで…他ですぐに家庭作っちゃったりとか。

――女性関係は旺盛だったんですね。

すが:ベットの下に布団が浮くぐらいエロ本がバーッてありました。

――スケベですね(笑)他にも破天荒エピソードはありますか?

すが:僕の授業参観に親父が来たんですけど前日に赤髪の坊主にして、革ジャンのセットアップで現れたんですよ。

――パンクロッカーみたいですね

すが:はい。『ルビーの指輪』を歌いながら教室に入ってきて…「ロック歌えよ」と思いましたけど(笑)。

――ブルーハーツとかではなく寺尾聰さんでしたか(笑)

すが:親父が凄い香水臭くて。たぶんナンパしたいんですよ。友達のお母さんに「きれいですね」とか「独身ですか?」とか話しかけて。

――独身の可能性低いでしょ(笑)。お父さんやんちゃですね。家ではどうだったんですか?

すが:よくケンカしてましたね。おばあちゃんと伯母さんがペアになって親父に「ちゃんと働いてくれ」とか「女を連れ込むな」とか言うと、街中に響き渡るぐらいの大声で親父は「うるせぇんだよ!このやろう!」ってブチ切れ返して。親父は怒ったら止められなくて、自分の車とか素手で壊しちゃうみたいな。

――お父さんはなんの仕事をしていたんですか?

すが:聞いてたのは「ガソリンの時代を終わらせる」とか「戦争は終わってるけど、残ってる地雷を見つける装置を発明する博士と知り合ったから、世界平和をしながら金を稼ぐ」とか。そういったトータルを、ビックなビジネスと呼んでました。

――そのビッグビジネスはうまくいったんですか?

すが:大量に借金はあったとおもいます。

――うまくいかなかったようですね。最初に同居から抜けたのがお父さんだったんですよね。

すが:そうですね。親父が他で再婚してそっちの家に。

1日の祖父の口数はXの字数制限以下

――そこからは祖父母と伯母さんと暮らすことになりますが伯母さんはどんな方ですか?

すが:教育熱心な感じでした。僕に教材を買ってくれたり学習塾に通わせてくれたり。自分のことを犠牲にして、僕が賢くなるように、そういったことにお金を使ってくれて。それを僕が全部やらなかったんですよ。

――やってくださいよ!

すが:やればよかったですね。マジでもったいなかったです。

――おじいちゃんはどんな方でしたか?

すが:おじいちゃんは本当に寡黙な人で。1日で16文字ぐらいしかしゃべらないぐらい。

――「X」よりつぶやかないですね(笑)

すが:文字制限余裕です(笑)リビングにおじいちゃんが、ずっーと座っているイスがあるんですよ。足組んで座っててゆっくり瞬きをするんですけど。「ときどき、あれ?死んだ?」って時があるんです。

――おばあちゃんはどんな方ですか?

すが:めちゃくちゃケチでした。うんちは3回に分けて流さないといけないとか。だからおばあちゃんのトイレの後は残ってるんですよ。嫌じゃないですか。それで僕が「やめてくれ」って言ったら「やめてくれじゃないだろ!」って。

――やめて欲しいですけどね(笑)。

すが:宅配便の配達員がピンポンを鳴らすとおばあちゃんが家から出て来て「チャイムを鳴らすな!なんのための腕だ!トントンとやれ!」って。

――「なんのためのチャイムだ」ということもありますが。

すが:チャイムも電気代がかかると思ってて。

――そういうことですか。相当な節約家ですね。そんな暮らしから次に伯母さんが抜けるんですよね。

すが:はい。伯母さんがここにいるのはしんどいってなって。僕を連れて「東京に行きたい」って誘われたんですけど僕は断って。

その後、おじいちゃんも病気になって亡くなって、おばあちゃんも体を悪くして老人ホームに入って僕が一人になりました。

――中学生1年生で一人になってしまったすがちゃんを、お父さんは心配しませんでしたか?

すが:いや、「一人暮らしぐらい大丈夫でしょ」って感じでした。

(取材・文:インタビューマン山下)

© 株式会社光文社