『超RIZIN.3』パッキャオ戦、鈴木千裕→安保瑠輝也に変更で「誰も損しない戦い」に

来月28日に埼玉・さいたまスーパーアリーナで開催される格闘技イベント『超RIZIN.3』にセットされていたマニー・パッキャオのエキシビションマッチの相手が、鈴木千裕から安保瑠輝也に変更になったことが28日に発表された。

パッキャオといえば、プロボクシングで6階級の世界タイトルを獲得している文字通りのレジェンド。2021年8月の試合を最後に引退しているが、来年には現役復帰を目論んでいるとも報じられている45歳だ。

『RIZIN』にとっては、18年と22年に招へいしたフロイド・メイウェザー・ジュニア以来の超ビッグネームの登場とあって、当初は現役RIZIN王者の鈴木を対戦者として用意。パッキャオに対して最大限の敬意を示した形だったが、当の鈴木は23日に行われた五味隆典とのボクシング対決で右手を負傷。第2中手骨骨折と第5中手骨骨折により、全治4ヶ月と診断され、ドクターストップで欠場となった。

だが、この鈴木の欠場に胸をなでおろしたファンや関係者は少なくないという。

「鈴木が所属する『クロスポイント吉祥寺』の山口元気会長は、当初から鈴木がパッキャオとのエキシビションに臨むことに積極的ではありませんでした。五味戦後にも報道陣に対し『無理なんじゃないですか』『やめたほうがいいんじゃないか』と語るなど、愛弟子を大一番に送り出したくない心情がありあり。また、RIZINファンの間でも団体のチャンピオンを別のルールであるボクシングマッチに担ぎ出すことに抵抗感を抱く者は少なくなかったですよ。『金のために王者を生贄にするのか』という声もありました」(ジム関係者)

代役となった安保は、19年にK-1スーパーライト級王者を獲得しているキックボクサー。昨年大みそかの『RIZIN』ではMMAデビュー戦で久保優太に一本負けしているが、今月の『BreakingDown12』では体重差44kgを跳ね返してスダリオ剛に判定勝ちするなど、話題を振りまくファイターだ。

対戦相手の変更についてパッキャオ側もコメントを発表。

「新しく名乗りを上げてくれやルキヤ・アンポよ、私を恐れずに名乗りを上げてくれたことに感謝したい。君にはボクシングが崇高で、ファンタスティックで、そして何よりも難しいことを教えよう」

と、安保との対戦を歓迎している。

「パッキャオにとっては、相手が鈴木でも安保でも特に問題はないでしょう。自分の仕事をするだけですし、もとより勝負論になるとは思っていない。RIZINファンの間では、今回の変更を歓迎する声のほうが大きいようですね。鈴木をエキシビションで消費することへの抵抗感は強かったですし、安保がパッキャオに倒されたところで団体や格闘技のイメージが棄損されることもない。安保自身も失うものはないですし、結果的には誰も損をしないイベントになりそうですね」(前出ジム関係者)

ともあれ、安保には前評判を跳ね返す試合を見せてほしいところだ。

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