【コスパ最高】福岡で急増中!“立ち飲み”で本格中華やイタリアンも気軽に 「いずれ“屋台”のような福岡名物に」

福岡市内には今、イスがない店でアルコールなどを楽しめる、いわゆる“立ち飲み店”が増えている。気軽にお酒と料理が楽しめる立ち飲みは、酒飲みにも店側にもメリットが多く、福岡の新たな名物になりそうだ。

“高コスパ”1人でも気兼ねなく

椅子に座らず、立ったままアルコールを楽しむ“立ち飲み”。福岡市中央区にある人気立ち飲み店の「ネオメグスタ」では、全国各地の日本酒を始め、ビールやワインなど約100種類のアルコールを楽しむことができる。午後8時過ぎの取材時、店内は多くのお客さんでにぎわっていた。

「1~2年で、福岡市内で20店舗くらい増えた印象ですね」と話すオーナーの落水研仁さんは、ほかに6軒の立ち飲み店を経営する福岡の立ち飲みブームの火付け役だ。

コロナ禍以降、会社などでの飲み会が激減したといわれる中、1人で飲める場所を探す“酒飲み”のニーズに「立ち飲みは合っている」という。

来店客も「パッと来て、すぐ出て行くことができる」「気兼ねなく、みんなと話しながら飲めるのがいいかな」と親しみやすさを強調する。

さらに「リーズナブルでお財布にも優しい」「めちゃくちゃ安いと思います」と経済的な魅力を口にする客も多い。

ネオメグスタで出されるおつまみは100円台からで、物価高騰でコストパフォーマンスが重視される中、手頃な価格で豊富なメニューが楽しめることも人気を後押ししているようだ。

全国でも珍しい中華料理店の立ち飲み

一方、福岡市中央区にある中華料理専門の立ち飲み店「マンダリン」。中華料理の立ち飲み店は、全国的にも珍しいという。

「中華は、前菜も豊富にあるんですけど、その良さが世に出てないので、僕が伝えられたら」と山北裕児代表が意気込みを語った。

看板メニューのマーボー豆腐や黒コショウの香りが効いたシューマイなど本格的なメニューがそろう。

「ピリッとした辛さと肉のうま味がマッチしていてとてもおいしい。かめばかむほどコクがあってお酒のおつまみにもぴったり」とリポーターも舌鼓を打つ。

久留米市から訪れたという夫婦も「シューマイは、初めて食べた味」「飲んで食べておいしい。立っていることを忘れちゃう」と満足なようすだ。

山北さんは、客との距離の近さこそ立ち飲みの魅力だと話す。「お客さん同士がしゃべることが本当に多いので、僕は聞きながら勉強してる感じ。会話と食事と飲み物を楽しんでいただけるように大人の立ち飲み屋を目指してやっている」。

スイーツも!50種類以上のこだわりメニュー

さらに、福岡市早良区の「ポコアポコ」は、イタリアンやフレンチの惣菜(そうざい)とスイーツが人気の立ち飲み店だ。

系列レストランのメニューを少しずつ楽しんでほしいと2023年にオープンした。

こだわりのメニューは50種類以上で、新鮮なフルーツを使用したタルトに、まろやかな口どけの生チョコタルト、生ハムやサーモンのピンチョスなどをお酒と一緒に楽しめる。

「選ぶ楽しさも味わっていただきたい」とポコアポコの三宅一生代表は話す。

期待!福岡の新しい文化の一つに

立ち飲み店の新規参入が相次いでいる背景には、初期費用が通常の店より抑えられる点にある。

通常の店に比べ、狭いスペースでも開業できるため、賃料が安く抑えられるほか、イスに座らないため回転率が良いというのだ。

ネオメグスタの落水オーナーは「将来的には、いまの屋台が文化になったようなかたちで福岡の立ち飲みが福岡の新しい文化の一つになればいい」と未来に目を向けた。

(テレビ西日本)

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