衝撃レースの久保凛が「……」絶句 もう一人のスーパー高校生、落合晃が五輪候補急浮上に「刺激になります」

落合晃【写真:荒川祐史】

陸上日本選手権

今夏のパリ五輪代表選考会を兼ねた陸上・トラック&フィールド種目の日本選手権第3日が29日、新潟・デンカビッグスワンスタジアムで行われた。女子800メートル予選では、初出場の16歳・久保凛(東大阪大敬愛高2年)が全体1位の2分3秒60で3組1着で決勝進出。一方、取材中には男子800メートル予選で落合晃(滋賀学園高3年)が日本記録1分45秒75に0秒07差の好記録をマークし、久保は絶句した。

2人の高校生が日本選手権で輝きを放った。久保が田中希実、卜部蘭と激しいデッドヒートを繰り広げた末、全体1番手でフィニッシュ。取材エリアで喜びを語っている最中だった。今度は男子で落合が激走。大学生や社会人選手たちを引っ張り、1着で決勝に進出した。タイムは1分45秒82。U20記録と高校記録を塗り替える2つの日本新だ。

ジュニア年代の各大会で男女の800メートルを引っ張ってきた2人。久保は取材中にモニターで落合の記録を確認し、「……」としばし沈黙した。「とても刺激になってます」。同年代の活躍に驚きを隠せなかった。

一方、落合は「今年一番の目標はパリ五輪。ベスト近くはいけると思っていた。出たか、という感じ」と大粒の汗を拭いながら冷静に語った。

「去年インハイで47秒台を出して先生と相談しながら『狙ってみる?』とパリを目指すことになった。最初は夢のパリだったけど、ドバイでレースに出て、高校新も出した。五輪のことを思い続けて、少しずつ夢が目標に変わってきた」

パリ五輪の参加標準記録1分44秒70に迫り、代表候補に急浮上。同記録を突破し、優勝すれば内定する。「44秒台が出てもおかしくない練習はしてきた」とターゲットを見据えた。男女とも30日に決勝が行われる。

THE ANSWER編集部

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