どんどん広がる「書店砂漠」 地域に店が一つもない、ネット通販が直撃 「ラス1」自治体も多数

「書店ゼロ」の市町村は京都府で7自治体、滋賀県で3自治体に上る

 書店が地域に一つもない「書店ゼロ」の市町村が京都府で7自治体、滋賀県で3自治体に上ることが、各自治体への取材で分かった。書店減少の背景にはネット通販や電子書籍の台頭、地方の衰退など複合的な要因があるとみられる。

 書店ゼロの自治体は、京都が26市町村のうち、宮津市、伊根町、大山崎町、井手町、和束町、笠置町、南山城村の7市町村。全自治体に占める無書店の割合は約27%。滋賀の19市町では甲良、多賀、竜王の3町で無書店率は約16%。京都新聞社が4月現在の店舗数を各自治体に問い合わせた。対象は、出版取次会社を利用する新刊書店で、ブックカフェや「独立系」と呼ばれる小規模店は除く。

 単純比較はできないが、取次大手のトーハン(東京)が2017年に実施した調査によると、無書店は京都4、滋賀2だった。業界団体による別の調査では、全国の書店はこの10年ほどで約3割減ったとされ、無書店率は約28%(24年3月現在)に達している。京都は全国平均並み、滋賀は10ポイント超下回る結果となった。

 ただ、残る書店が1店舗のみという自治体が京滋とも少なくない。

 府内は綾部市、与謝野町、京丹波町、宇治田原町、精華町の5市町。滋賀県内は栗東市、米原市、豊郷町、愛荘町の4市町に上る。一方、スーパー大手の平和堂(滋賀県彦根市)系列店舗に入るグループの「平和書店」は、府内6市、県内10市町と幅広く展開しており、京滋の書店文化に一定の役割を果たしている。

© 株式会社京都新聞社