3年ぶり代表合流の八村塁「帰ってこれてうれしい」河村、富永ら新戦力との融合「楽しみ」 仲間への天然“第一声”は「今って平成何年ですか?」

 笑顔で報道陣の質問に答える八村塁(撮影・園田高夫)

 パリ五輪に出場するバスケットボール男子日本代表最終候補メンバーによる強化合宿が29日、都内で公開され、バスケットボール米プロNBAで活躍する八村塁(26)=レーカーズ=が合流した。八村の日本代表参加は21年東京五輪以来で、トム・ホーバス監督体制では初となった。また、NBAで日本選手最長の6シーズンをプレーし、来季からBリーグ参戦を表明している渡辺雄太(29)も昨夏のW杯以来の合流となった。

 八村は、昨夏のワールドカップ(W杯)をNBAでのキャリアに集中するため欠場した。ただ、フィンランドを破るなど快進撃を続けた日本代表の動向は、リアルタイムでチェック。五輪出場を確定させた試合後は、すぐにX(旧ツイッター)で日の丸の国旗と炎の絵文字を投稿し、祝福していた。

 取材対応も行い、河村や富永ら初めて共にプレーする選手たちとの融合を「3年ぶりに帰ってこれてうれしい。やったことのないメンバーとやれるのは楽しみ」と、充実した表情で語った。NBAのシーズンが終わった直後に、ホーバス監督がロサンゼルスを訪れて、ミーティングし、参加を決断した。「五輪の舞台に戻れるのは光栄。思いきってやりたい。東京五輪はいい結果じゃなかった。僕たちがどれだけ成長したかを見せられたら」と、力を込めた。

 司令塔の富樫勇樹(千葉J)は、約3年ぶりに代表に合流した八村の“天然エピソード”を明かした。報道陣から「八村選手と最初に話した言葉は?」と問われると、「いい質問ですね」とにやり。「彼は久しぶりの日本だと思うんですけど」と前置きしつつ、「最初にトレーナー陣にあいさつをして言った言葉が『今って平成何年ですか』と聞いていました」と話し、笑いを誘った。

 この日、もう1人の「NBA組」、渡辺雄太が左ふくらはぎの肉離れで、パリ五輪出場へギリギリの状態であることを告白。3年ぶりの参加となる日本の至宝に懸かる期待は大きい。NBA5年目を迎えた今季は、オフ期間にスーパースターのレブロン・ジェームズ(レーカーズ)らとワークアウトを行って力を付けた。シーズンでは68試合に出場し、1試合あたり13.6得点、4.3リバウンドを記録。スタメンで起用されるなど、レーカーズの主力としてプレーオフ進出に貢献した。最終戦の後には「NBAに入ろうと思っている若い選手たちに刺激を与えられるようにやっていきたい」と、日本代表参戦へ前向きな姿勢を示していた。直近のインスタグラムでは五輪で使用されるFIBAのロゴの入ったボールで練習する姿を投稿。満を持して再び日の丸を背負うことになった。

 NBAにある「28日ルール」に基づき、代表戦は韓国と対戦する国際強化試合(有明、7月5、7日)から参加できる。河村勇輝らの若手、帰化選手のジョシュ・ホーキンソンが融合した“歴代最強チーム”がお披露目となる。パリ五輪では初戦でW杯王者のドイツ、2戦目には開催国で、ルーキーシーズンのNBAで強烈なインパクトを残したビクター・ウェンバンヤマを擁するフランス、「五輪最終予選ラトビア会場の勝者」と対戦。3戦全敗だった東京五輪のリベンジに向けて、準備を整えていく。

 最終候補メンバー16人は次の通り

 【PG】富樫勇樹、河村勇輝、テーブス海、佐々木隆成

 【SG】比江島慎、富永啓生

 【SF】ジェイコブス晶、渡辺雄太、金近廉、馬場雄大、吉井裕鷹

 【PF】八村塁、井上宗一郎

 【C/PF】ジョシュ・ホーキンソン

 【C】渡辺飛勇、川真田紘也

 ※最終メンバー12人は今後発表。比江島、富樫、渡辺雄、馬場雄大、八村、渡辺飛は2大会連続の五輪出場を狙う。

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