【夏ハンモックの超重要知識】ハンモックの大敵「虫対策」バグネットの選び方

これからの時期、ハンモックを使うなら虫対策は必須です(撮影:二宮勇太郎)

山間部でも日中の気温が20℃を上回る日が増えてきました。いよいよ快適にハンモックを楽しめる季節の到来です。しかし気温の上昇にあわせて増加するのが蚊、メマトイ、アブ、ブユなどの羽虫。せっかくゆったり過ごそうとハンモックを張ったものの、羽虫が周囲を飛び回っていては台無しです。そこで今回は、これからの季節を快適に過ごすための「ハンモックの虫対策」を、それぞれの特徴も交えてご紹介します。

■虫対策に特化した「バグネット付きハンモック」

バグネット付きを選ぶか、それともバグネットを後付けにするか。選択肢は2択

もともと気温の高い時期に使われることの多いハンモックには、本体にバグネット(蚊帳)があらかじめ取り付けられた製品もあります。ハンモックの上面をバグネットで覆う構造により、外と隔てた、まるでテント内にいるような「空間」が確保できます。バグネット付きハンモックにも、素材や構造の違いにより様々なタイプがあります。

<バグネット付きハンモックの特徴>

・セットアップが簡単(ハンモックと一体になっているため、オープンタイプと設営の手間が変わらない)

・バグネットが着脱式、非着脱式とある

・本体生地の種類によっては背面から虫に刺されることがある(ハンモック本体が通気性の高い生地でできている場合)

<バグネット付きハンモックを選ぶときのポイント>

・重量と本体サイズ(軽量タイプは400g前後〜)

・ジッパーの配置(出入りのしやすさ、バグネットの着脱の可否など、連結部ジッパーの構造によって異なる)

■おすすめバグネット付きハンモック2選

・COCOON/Ultralight Mosquito Net Hammock(435g)

バグネット付きハンモックの基本形。片側に配置されたジッパーを開閉して出入りする構造。軽量な素材とシンプルな構造により、ゆったりした広さを確保しながらも軽量でコンパクトに持ち運べる。バグネット付きでも軽さを重視したい人におすすめ。

・ENO/JungleNest™ Hammock(567g)

バグネット部分に付属のフレームを差し込めば内部空間が広がり、広いスペースを確保できる。足元の一部を除いて全周にジッパーが配置されており、バグネットを足元にまとめてフルオープン(ネットの取り外しは不可)にもできる。広さと快適性を求める人におすすめ。

■バグネット付きハンモックを使うときの注意点

一般的なバグネット付きハンモックの多くは、本体に通気性の高い素材を使っているものが多く、そのままの状態で横たわっていると背面を虫に刺されることがあります。背面からの虫刺されを防ぐには、本体が二重構造(2枚の生地を重ねてあるもの、通気性を損なわず蚊の口針を通さないための工夫)になっているものを使う、あるいは蚊取り線香や虫除けスプレーなどを併用することをおすすめします。

■手持ちのハンモックに被せて使う「後付けバグネット」

バグネットの付いていないハンモックでも、後付けタイプのバグネットを使えば、外と隔てた空間を確保することができます。後付けタイプのバグネットにも、サイズや出入りの方式の違いにより様々なタイプがあります。

<後付けバグネットの特徴>

・ハンモック、バグネットの組み合わせを自由にアレンジできる

・大きなサイズのバグネットを選べば、一体式より広い空間を確保(背面も覆える)できる

・設営にはバグネット一体式よりも手間がかかる(本体とは別にバグネットを設営しなければならない)

・トータルウェイトはバグネット一体式よりも重たくなりやすい

<後付けバグネットを選ぶときのポイント>

・重量と収納サイズ(軽量タイプは100g台〜)

・セットアップ方法(セットアップに手間がかかる場合もあるため)

・空間の広さ(どれくらいまで覆えるものが欲しいか)

・出入りの方式(ジッパー式、スライド式、コード式など)

■後付けバグネットのおすすめ

・COCOON/Mosquito Net Ultralight(190g)

背面までしっかり覆える広さながらも、重量を200g未満に抑えた軽量バグネット。側面のジッパーを開閉して出入りするシンプルな構造。虫のプロテクションの高さと軽さを両立した選択肢。

しっかり覆える広さながらも、重量は190g

・ENO/Guardian DX™ Bug Net(368g)

付属のスプレッダーバーをバグネット上部に挿し込むと、上部が天井のように広がる構造で、かなりゆとりのある空間を作り出せるモデル。この空間の広さにより、背面はもちろん手足がバグネットに触れる機会を減らせるため、より確実に虫刺されを回避できる。

■バグネット以外に虫対策の方法はないのか?

バグネットがあれば、羽虫のストレスに晒されない空間を「ある程度」は確保できますが、ハンモックの場合、一般的に販売されているバグネットで覆えるスペースはかなり限定的です。テントの中にいるときのように調理や食事、着替えなどができるほどの広いスペースを確保するのは難しく、基本的には「寝るためのスペースをつくるもの」と考えた方がよいでしょう。

次回はバグネットに頼らない、ハンモックならではの虫対策の方法も交えてご紹介します。

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