日韓の協力が世界のアニメ市場を豊かにする―台湾メディア

25日、台湾メディアの電影神捜は、日本のアニメに改編された六つの韓国漫画を挙げ、日韓の協力が世界のアニメ市場を豊かにすると論じた。写真は韓国漫画。

2024年6月25日、台湾メディアの電影神捜は、日本のアニメに改編された六つの韓国漫画を挙げ、日韓の協力が世界のアニメ市場を豊かにすると論じた。

記事はまず、「『アニメ』と聞いて真っ先に思い浮かぶのは、間違いなくアニメの国、日本だろう。しかし、技術の進歩に伴って生まれた韓国のウェブ漫画(Webtoon、ウェブトゥーン)は、スマホで片手で操作できる読みやすさ、カラー漫画による視覚的な鮮やかさ、ストーリーに合ったBGMなど、従来の漫画とは異なる利点を見せている。さらに、作品自体の質の向上により、徐々に日本でも注目を集めるようになってきた。また、日本の大規模なアニメ市場、先進的な制作技術、比較的緩やかな審査制度により、日本はWebtoonのアニメ化に最適な場所になっている」と説明した。

そして、「近年、韓国の大手Webtoon企業・NAVERとKAKAOの代表作が日本のアニメ制作会社を通じて日本のアニメ市場に進出し、韓国国内でもメディアの注目を集めている。この記事では、日本が制作したWebtoonアニメ作品を通じて、Webtoonが日本のアニメ市場に進出する過程とその背景を紹介していく」として、六つのWebtoonアニメ作品を挙げた。

記事は一つ目の作品に「THE GOD OF HIGH SCHOOL ゴッド・オブ・ハイスクール」を挙げ、「2020年はWebtoonのアニメ化において重要な年だった。この年、NAVERは日本で二つのWebtoon改編アニメを発表。同作品はそのうちの一つとして、『呪術廻戦』を制作した日本のアニメ制作会社・MAPPAによって手掛けられた。物語は、主人公のジン・モリが、高校生の異種格闘大会『ゴッド・オブ・ハイスクール』に招待され、そこで各地から集まる強者たちと激しい競争を繰り広げるというもの。残念ながら、アニメ版は13話にまとめるために多くのエピソードが削られ、キャラクターの個性やストーリーが薄くなってしまったため、公開後の評価は賛否両論だった」と評した。

二つ目の作品は「神之塔―Tower of God―」であるとし、「主人公の夜(よる)が、自分のすべてであった少女・ラヘルを追いかけ、神秘的な塔に挑む物語。しかし、塔の中で彼を待ち受けるのは、無数の謎と罠の試練だった。この作品には、複雑かつ緻密な世界観が構築されており、視聴者が先の読めない展開に引き込まれ大人気となった。なお、2期も今年7月に公開される予定。『神之塔』の日本での成功は、Webtoonが日本のアニメ市場に進出するための重要な契機となった」とした。

三つ目の作品は「彼女が公爵邸に行った理由」だとし、「NAVERが主に冒険やアクション作品をリリースしているのに対して、KAKAOは23年に女性向けの同作品をリリースし、日本のアニメ市場へ本格的な進出を果たした。同作品は、何者かに突き落とされ、謎の死を遂げた主人公・花咲凛子(はなさきりんこ)が小説の世界で登場人物のレリアナ・マクミランに転生する物語。原作では彼女は悲劇的な結末を迎えるが、凛子はその運命を変えるために物語の展開を自らの手で変えようと決意する。この作品は、KAKAOが日本のアニメ制作会社・颱風グラフィックスと協力して制作し、広く好評を獲得した」と述べた。

四つ目の作品は「外科医エリーゼ」だとし、「日本のライトノベルアニメに長けた制作会社・MAHO FILMとの協力で制作され同作品は、悪女皇后だった主人公・エリーゼが処刑され、現代に生まれ変わった2度目の人生では心優しい外科医・高本葵(たかもとあおい)として生き始めるという物語。しかし、彼女は再び飛行機事故に遭い、目を覚ますと再び処刑前のエリーゼに戻っていた。彼女は過去の悪行を償うために再び外科医になりたいと決意する。この作品は、全体的な構成や論理的な部分がやや弱いものの、異世界、医療、宮廷などを組み合わせた要素が視聴者の心をつかみ、多くの支持を獲得した」と言及した。

五つ目の作品は「俺だけレベルアップな件」だとし、「今年、KAKAOは累計142億回以上の閲覧数を誇る同作品を遂にアニメ化した。RPGゲームの要素を取り入れた同作は、異世界へと通じるゲート内に潜むモンスターを倒すことで報酬を得る世界が舞台。もともとは弱小だった主人公・水篠旬(みずしのしゅん)が異世界での瀕死の体験を経て、身体の各能力がレベルアップする機能を偶然にも発動させ、そこからレベルアップを繰り返していくという物語だ。このアニメ化は、『ソードアート・オンライン』を制作した日本のアニメ制作会社・A-1 Picturesが担当し、24年1月にAmazon Prime Video(プライムビデオ)やNetflix(ネットフリックス)などの国際的な動画配信プラットフォームで同時配信され、3月には第2期の制作決定も発表された」と紹介した。

最後に、六つ目の作品を「喧嘩(けんか)独学」だとし、「24年4月からフジテレビ『+Ultra』で放送された同作品は、主人公・志村光太(しむらこうた)が学校のいじめっ子同士の喧嘩を動画配信するとお金が稼げると気付き、母親の入院費を稼ぐため、不良にかみつくコンテンツを売りにした動画配信チャンネルを始めるという物語。この作品は、プロの格闘家を顧問に招き、リアリティーと論理性を重視した格闘作品で、ストーリーは現代のメディア環境、例えばモラルの低下、コンテンツの盗用、悪意のある通報といった問題も風刺している。意外な伏線と時折入るユーモラスなシーンが魅力で、視聴者を引きつけてやまない。原作者のテジュン氏の前作『外見至上主義』は韓国のアニメ制作会社によりアニメ化がされたが、今回の『格闘実況』のアニメ版は日本のアニメ制作会社・オクルトノボルが制作し、明らかにアジア人の好みに合った作品となった」と論じた。

そして、「今年の上半期を振り返ると、韓国のWebtoon業界は強力な知的財産(IP)を使って日本市場に進出し、徐々に世界のアニメ市場にも浸透しようという明らかな意図の下に全力を尽くしている。『韓国の人気IP』と『日本の制作技術』の強力なタッグは今後も続くトレンドとなり、今後数年間でさらに多くの作品が登場するだろう」と結んだ。(翻訳・編集/岩田)

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