アマチュア不遇の時代に「奇跡みたいなゴルフ」 荒木優奈が2打差4位

「奇跡みたいなゴルフ」で4位に浮上(撮影/和田慎太郎)

◇国内女子◇資生堂レディスオープン 3日目(29日)◇戸塚CC西コース(神奈川)◇6697yd(パー72)◇曇り(観衆7498人)

最終ホールで1.5mのバーディパットを決め、この日もう何度目かわからない歓声を浴びた。「おもしろい。自分のプレーで歓声が上がるのが、気持ち良いです」。アマチュアの荒木優奈が5バーディ、1ボギー「68」で回り、通算7アンダー4位につけた。

4番でボギーが先に出たが、先にスコアを落とすのは良い兆しと思っている。「気合が入るのかわからないけど、結構よかったりする」。アイアンショットが左に行くミスが目立ったが、パッティングを武器にすぐ取り返した。

7番(パー5)で4m、8番(パー3)では7mを入れて連続バーディ。後半は徐々にアイアンショットが調子を戻し、2m前後のチャンスにつけて3バーディを奪った。

アイアンショットは終盤に復調(撮影/和田慎太郎)

出だしのショットの調子を考えれば、「きょうは奇跡みたいなゴルフだった」と振り返る。それでも通算7アンダーまで伸ばして首位とは2打差。あすは最終組の一つ前から優勝争いに加わる。「せっかく良い位置にいるので、優勝争いの雰囲気を感じながら、トッププロたちと回れるのを楽しみたい」とワクワクする思いを隠さない。

今季トップ10に入ったアマチュアは2人だけ(撮影/和田慎太郎)

今季は5月「ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ」でリ・ヒョソン(韓国)がアマチュア優勝を達成したが、日本勢はトップ10が4週前の「ヨネックスレディス」で10位になった倉林紅だけ。一時は当たり前だった“アマチュア旋風”も古江彩佳が「富士通レディス」で優勝を飾るなどトップ10フィニッシュが14度もあった2019年が最後。20年以降は上位進出が激減し、トップ5に入ったのは2022年「ヤマハレディースオープン葛城」5位の上田澪空までさかのぼる。

9月にはプロテストが控えている(撮影/和田慎太郎)

プロの壁は高くなった。荒木は昨年初挑戦で失敗したプロテストに今年は9月の2次予選から出場する予定。しかし、出場が決まっている今週を含むツアー3試合の成績次第では7月26日時点で世界アマチュアランクトップ10に入り、最終ステージから出場できる可能性もある。史上9人目のアマチュア優勝となれば、すぐプロ転向できる。

「最終日は攻めたい気持ちもあるけど、今週のテーマは“手前から”なので、それを守って。チャンスが来たら入れる、というゴルフができたらいいなと思います」と自分にプレッシャーをかけることなく最後の一日に臨む。(横浜市旭区/谷口愛純)

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