「露茜」手に復興学ぶ 福島県南相馬市の小高小、小高中児童生徒 梅の収穫を体験

露茜を収穫する児童生徒

 福島県南相馬市の小高小6年生と小高中1年生は28日、同市小高区で梅の収穫を体験した。東京電力福島第1原発事故による避難指示解除後に栽培が始まった希少品種「露茜(つゆあかね)」を手に、地元の復興に理解を深めた。

 郷土の魅力や将来について考える授業の一環で、小中学生合わせて18人が参加した。約8ヘクタールの梅畑の一角で取り組んだ。慎重な手つきで実を取り、かごに集めた。宝槻春香さん(小高中1年)と中村琴音さん(同)は「初めて梅を収穫した。実を木から取る感覚が楽しかった。貴重な体験ができた」と笑顔を見せていた。

 露茜は小高区川房地区の大内安男さんが、原発事故による避難で荒れた農地を再生しようと5年ほど前に栽培を始めた。合併前の旧小高町の花が「紅梅」だったことにちなんだ。梅酒の原料として生産している。梅とスモモをかけ合わせた品種で、収穫期を迎えた実は赤く熟している。

 収穫した梅で今後、小中学生がジュース作りを体験する予定。

(相双版)

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