日本人の意向を反映したアジアモデル 大谷似な豪快スイングコーチの評価は！？

2007年に誕生したキャロウェイ「X FORGED アイアン」。石川遼が長年愛用したモデルとして人気を博し、ことしアジアバージョン「X FORGED アイアン」として戻ってきた。国内スタッフが本国に何度も要望を出して設計され、打感や打音など細部までこだわる日本人ゴルファー向けに開発されたという。そんな同社が誇る軟鉄鍛造アイアンを、ヘッドスピード（以下HS）の異なる有識者3人が採点。顔は“控えめな大谷翔平”&スイングは豪快(HS50m/s)なゴルフテックコーチ・稲場智洋の評価は！？

「丸みを帯びたソールの面取り 地面に置いたときのすわりは抜群」

―率直な印象は？
「面取りしているソール形状のおかげで、構えたときのすわりの良さが抜群でした。インパクト時の抜けも良く、ダフる心配を一切感じさせないほどスカッと抜ける感触はまさに爽快。すごく気持ちよい振り抜きを演出してくれます。私が現在使用しているダンロップ『スリクソン Z-FORGED II アイアン』にソール形状も似ていて、ヘッドの見え方も近いものを感じます」

―顔の評価は？
「今までの同社アイアンの雰囲気と異なり、海外ブランド特有の（トウ側と比較して）ヒール側の高さがある洋顔から、ややヒール側が低い国産に近づいた印象を受けます。顔だけでいうと前作までの印象より、ゴルフ歴の長いベテランや上級者が好む顔に仕上がっている。ただ、なぜかそこまで難しすぎる感じもない。すわりの良さも相まって、構えやすく感じる人は多い気がしました」

―兄弟モデル「X FOREGD STAR アイアン」と比べると？
「多少の性格は異なりますが、パッと見た印象はほぼ一緒。トップブレードの厚みは少し差はあり、安心感の度合いは違いますが、操作性の高いシンプルな顔立ちは同じです。どちらのモデルもすわりは良いし、バランスが取れている点も酷似。実際に飛距離もプラス10ydほど出ていて、同じ性能を求めながら飛距離、寛容性をさらに求めたい人は『―STAR』向き。または6、7番まで『X FORGED』、それ以上のロングアイアンは『―STAR』というコンボなセッティングも十分アリだと感じます」

―ご自身のエース「Z-FORGED II」とはどう違う？
「性能面ではすごく大きな違いは感じませんが、具体的な部分でいうと『Z-FORGED II』のほうがソール面の後方が独特な削り方をしていて(V字ソール)、『X FORGED』『―STAR』のほうがややフラットで曲線的な分、そこまでボールへのコンタクトにシビアさを感じません。それでいて構えたときのソールのピタッとくる感覚が非常に心地いい。ソールだけでなく全体的なフォルムも角張っている『Z-FORGED II』に対し、きれいな曲線で丸顔の『X FORGED』『―STAR』のほうが、寛容性の高いイメージは持てそうです」

―他に類似モデルは？
「テーラーメイドの中空モデル『P770 アイアン』と構造は違いますが、シンプルな形状と寛容性を両立した性能という点で近い感じがします。そうなると、『―STAR』は『P790 アイアン』でしょうか。ピンでは飛距離性能、寛容性を含めて『ブループリント S アイアン』に近い。同じツアーモデル『i230 アイン』は比較するとやや大振りで、見え方に多少の違いがある点でツアー仕様ではあるものの少しカテゴリーが異なるイメージを持ちました」

―どのような人向き？
「『X FORGED』のメインターゲットは、現在無理してマッスルバックを使っていて、飛距離に悩んでいる人。操作性と寛容性を両立したモデルに興味を抱いている人向きです。一方『―STAR』は、もう少し距離を出したい、操作性や抜け感も欲しい人に適していると思います。『X FORGED』がやや中上級者に絞っていて、お勧めできるターゲット層の幅が広いのは『―STAR』のほう。対象HS（ドライバーで）は『X FORGED』が40m/s半ば以上、『―STAR』は30m/s台後半から使えると思います」

国産使用中&コンボ好き稲場も好感触！【総合評価4.5点】

【飛距離】4.0
【打 感】4.5
【寛容性】4.0
【操作性】5.0
【構えやすさ】5.0

・ロフト角：33度(7I）
・使用シャフト：NSプロ モーダス3 ツアー105（硬さS）
・使用ボール：リトルグリーンヴァレー船橋専用レンジボール

取材協力／トラックマンジャパン株式会社、リトルグリーンヴァレー船橋