【受験生】夏を制する者は受験を制す!受験生が夏にやるべきこと3選

中学受験と高校受験に挑む受験生が夏にやるべきポイントをご紹介

受験生のいる家庭にとって一番大切なのが夏休みです。「夏休みが天王山」「夏を制する者は受験を制す」と言われているほど、重要な時期が近づいてきています。

1カ月半近く「自分の時間」を与えられているということは、勉強時間を確保できる一方で少しでも気が緩んでしまうとその貴重な時間を無駄にしてしまう恐れもあります。

子どもの性格によっては夏休みを有意義に過ごせるかどうか明暗を分けるため、親としては「確実に勉強する」という環境を整えたいところです。

栄光ゼミナールが、2024年1月25日(木)~3月16日(土)に、今春国立・公立・私立高校を受験した受験生とその保護者を対象にアンケートを実施しました。

その中で「志望校を決定した時期」について聞いたところ、最も多かったのは「中3の夏休み以降」で58.2%でした。次に22.8%で「中3の夏休みに入る前」となりました。

「志望校を決定した時期」について聞いたところ、最も多かったのは「中3の夏休み以降」

上記アンケートからもわかるように、「夏休み」が、受験生にとって非常に重要な時期になっていることがわかります。

そこで今回は、中学受験と高校受験に挑む受験生が夏にやるべきことを3つご紹介していきます。

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夏休みは短期決戦の中学受験の最後のヤマ場

中学受験は全国的に1月から2月中旬に集中し、近畿圏では1月中旬、首都圏では年明けの埼玉を皮切りに2月上旬までにおおよそ決まる短期決戦です。

冬休みは超直前期ということもあり、過去問や出題傾向を踏まえた模試形式の問題を解いたりと本番さながらの勉強をして本番を迎えることになります。

そのため、小学6年生の夏休みはまとまった勉強時間を確保するラストチャンスです。非常に重要な時間を有効に過ごすには以下の3つのことに取り組みましょう。

【中学受験生の夏休みの過ごし方①】すき間時間に苦手単元を徹底復習する

中学受験をする子は非常に高い学力を持つ子ども達ばかりです。その中で苦手科目、苦手単元を持ったまま夏休みを過ぎ、秋そして冬になるのは避けなければいけません。

夏休みは長いとはいえ、塾に通っていれば夏期講習会がありカリキュラム通りに授業が進んでいきます。しかも、受験学年の夏期講習会は拘束時間も長くなりがちであったり、大量に宿題がでます。

そうした忙しい中で、自分の苦手分野を勉強するには夏期講習講習会以外の時間を見つけて取り組む必要があります。

  • 塾に行く前に苦手単元の問題を解く
  • 年号や用語などの暗記系は塾の授業の休み時間に取り組む
  • 塾が休みの日は苦手科目や苦手単元の学習時間を取る

苦手克服に力を入れすぎるのはいけませんが、放置したままだと「このままで大丈夫か」という気持ちをずっと引きずったままになります。こうした心理面での影響も考慮して夏休みは隙間時間を有効活用して復習していきましょう。

【中学受験生の夏休みの過ごし方②】志望校合格に向けて盤石な学力をつける時期

普段より時間がある夏休みは「考えさせる問題」に取り組んで、応用的な問題への慣れをしていくことも大切

小学6年生になると学校見学会や説明会に参加をして「この学校を受ける」と志望校、受験校を決めていきます。夏休みが始まる頃には意中の中学もいくつか決めていて、合格を目指してより気合を入れて勉強していくことになります。

夏の時点で合否がほぼ確定することはなく、まさに夏次第というのが受験ではよくあることです。受験生である小学6年生が学力を盤石なものにするために取り組んで欲しいのは以下の3つです。

  • 理科と社会は基本問題をサラッと解いて基本的な知識が抜けていないか確認する
  • 漢字などの語彙系や文法を毎日解く
  • 考えさせる問題に取り組む

基本ができていると思いきや、抜けていることもあります。覚えることの多い理科社会で、単元や知識の抜けがないか確認しましょう。同じく漢字や語彙系の問題もコツコツ解いて、誤字脱字を減らして本番で減点対象にならないよう備えてください。

そして、夏休みで普段よりも時間があるので「考えさせる問題」に取り組んで、応用的な問題への慣れをしていくことも合格には欠かせません。

【中学受験生の夏休みの過ごし方③】夏休みでも睡眠時間確保と健康に気をつけることが大切

受験生にとって夏休みはまさに天王山という言葉にふさわしいほど合否に影響する大切な時です。とはいえ、塾の夏期講習会を受けるにしても、朝から晩まで授業が行われることはありません。

家にいる時間もあれば塾の自習室で勉強してから授業を受けるなど子どもによって夏休みの過ごし方は異なります。

しかし、寝る間も惜しんで勉強したりすると体調を崩して勉強が出来ない日々が続くこともあります。大切な時間がどんどんなくなっていく訳ですから、決して無理をしてはいけません。

  • 長時間勉強することだけを目的としない
  • エアコンと室内外の気温の差に気をつける
  • 夏バテ防止を家族総出て心がける

中学受験は「全落ち」という言葉があるように、簡単に志望校に合格できる受験ではありません。勝負の時である夏休みに頑張ることは絶対条件ですが、頑張りすぎて体を壊してしまっては元も子もありません。

体調を崩して勉強から離れる時間ができてしまうと子どもは焦ってしまい、落ち着いた気持ちで勉強に取り組むのが難しくなります。

勉強メインではあるけれど、休憩時間も設けてメリハリをつけつつ夏バテにならないよう体調管理に気をつけて夏を乗り越えていきましょう。

次に高校受験についてみていきましょう。

部活引退で一斉に競争が激化する高校受験

ノンビリしている子でも夏休みになり同級生の雰囲気が変わるのを見て、危機感を募らせるのが夏休み

全国的に「一部の地域の子の話」という扱いになりがちな中学受験と異なり、高校受験は義務教育期間が終わり、中学卒業後に進学を考えている子は例外なく受ける受験です。

中学3年生の部活動引退の時期は部活が予選敗退、または予選突破したかで異なりますが、概ね6月中に引退する子が多いです。その一方で、吹奏楽部や合唱部に属する場合はさらに秋までと幅はあるものの、他の受験同様に夏休みが最後の勝負の時です。

どんなにノンビリしている子でも夏休みになり同級生の雰囲気が変わるのを見て、危機感を募らせるのが夏休みです。大切な夏休み期間中にやるべきポイントを3つご紹介します。

【高校受験生の夏休みの過ごし方①】学校説明会に必ず参加する

夏休み中に学校説明会、学校見学会が行われる高校が多いため、受けるかどうかまだ決めていないけれど「気になる」「受ける可能性がある」という学校はスケジュールが合えば必ず予約をして参加するようにしましょう。

中学受験が盛んな地域では学校説明会の重要性が浸透していますが、地域によっては「受けるか分からない学校に出向く必要あるの?」と考えている親も少なくありません。しかし、夏休みを過ぎてから説明会を開催する学校は限られています。

校風や在籍する生徒の雰囲気や部活動の練習風景を間近で見ることで子ども本人が「思っていたよりも合うかも」と感じたり、「受ける予定だったけどちょっと違和感を感じた」ということにも気がつく重要な機会です。

学校見学では以下の3つのことを確認しましょう。

  • 在籍する生徒の雰囲気が自分に似ているか
  • 家から学校までの通学手段や通学時間
  • 赤点や留年または退学する人の有無

義務教育ではない高校では、出席日数や学業不振で留年する可能性もあります。受験前にこうした現実を知ることで「本当に中学とは違うんだ」と子どもが自覚するようになります。また、校風が合わない学校に入学すると退学の可能性が高まるため必ず時間を作って参加してください。

【高校受験生の夏休みの過ごし方②】勉強する場所を確保する

受験生の夏休みは「どれだけ勉強するか」が成功のカギを握っています。そして今の中学生はスマートフォンを所持している子が多いため「どこで勉強するか」も重要性が増してきています。

家で勉強するとダラダラ過ごしてしまう子は昔からいましたが、今の中学生は自分専用のスマートフォンをを持っています。使用していれば自ずと学習時間は減るため、スマートフォンの管理は絶対です。そして、人の目があるところで勉強した方がプラスになります。

できればスマートフォン使用禁止にしている塾の自習室を利用することが望ましいです。大人の目、周囲の目があると使用するのを躊躇します。自分を律する子が受験でも結果を残すので、親も「家で勉強すればいいじゃない」と思わずに確実に子どもが勉強に集中する場所を探してください。

勉強する場所を確保する方法は以下の通りです。

  • 塾に通っていない場合は夏期講習だけ参加して自習室利用をする
  • 図書館など公共場で勉強をする
  • 祖父母の家でスマホを預けて勉強する

受験生にとって天王山の夏休みに「スマホ断ちをできるかどうか」「スマホに触れない時間を増やせるか」が全てといっても過言ではありません。どうしてもスマートフォンが気になる子は人の目を感じる場所で勉強するのがおすすめです。

【高校受験生の夏休みの過ごし方③】中学3年間の総復習をする

夏休みが始まる7月下旬の時点で年明けから本格化する高校受験まで半年を切っています。

これまで部活動で忙しくしていた子も多い中学生の多くも夏休み前に引退しており、中学校最後の夏休みは勉強に集中できます。

これまで部活で後回しにしていた既習単元の復習だけでなく、「隠れ苦手の洗い出し」にも時間をかけることができます。それと同時に入試問題の形式にも慣れるよう、実戦形式の問題を時間配分を意識して取り組んで行くことも大切です。

夏休みが始まる7月下旬の時点で年明けから本格化する高校受験まで半年を切っています。

残された時間は少なく、まさに夏休みが勝負の時です。限られた時間を有効活用し、志望校合格を手繰り寄せるためにも以下の3つのことを特に意識してください。

  • 模試の結果を振り返り苦手教科と単元を見つける
  • 得意な科目も勉強しつつ弱点の教科た単元に時間を多く割く
  • 小学校で習った漢字を正確に書けるようにする

学校の実力テストや模試のように既習単元の全範囲から出題されるテストは自分の苦手を把握することができます。偏差値などのデータを上手に活用し苦手克服に力を入れて学力の底上げをしていきましょう。

そして、入試では漢字の誤字はもちろんのこと、学校によっては習っている漢字を平仮名で書いていると減点対象になると言われています。採点方式は学校により異なり、基準が詳細に公表されることはないため「最低でも小学校で習った漢字は書ける状態に仕上げる」ことが望ましいです。

夏をどう過ごすかで受験の結果が決まる

受験生の親は、子どもが勉強に集中できる環境を作り陰ながらサポートしていきましょう。

夏休みはイベントもたくさんあり、子どもにとっては楽しみな季節ですが受験生のいる家庭にとっては合否を決めるような重大な時期です。

受験生も色々と我慢を強いられることも多いので、親は心配のあまり小言を言いたくなることもありますが、無駄にイライラさせてしまうと逆効果になります。

心穏やかに過ごすことは難しくても、子どもが勉強に集中できる環境を作り陰ながらサポートしていきましょう。

参考資料

  • PRTIMES「志望校選びのポイントは「教育方針」「在校生の雰囲気」 受験を通じて「学力向上」を実感、保護者は「精神的成長」も」栄光ゼミナール調べ

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