『ツギクル』5代目王者はコントトリオ・えびしゃ 『キングオブコント』台風の目になる?

今年で5回目の開催となったお笑いコンテスト『ツギクル芸人グランプリ2024』(フジテレビ系)の決勝が29日に開催され、お笑いトリオ・えびしゃが優勝を勝ち取った。

えびしゃは、ワタナベエンタテインメント所属の芸歴2年目。昨年は25歳以下の芸人で争われる『UNDER 25 OWARAI CHAMPIONSHIP』でも優勝を果たしており、1年目にして『キングオブコント』(TBS系)の準決勝まで進出している期待のホープだ。

『ツギクル』は、芸歴やジャンルを問わず“次世代のスターを発掘する”ことをコンセプトに開催されているコンテスト。フジテレビと音事協(日本音楽事業者協会)が主催を務め、審査員長に渡辺正行、審査員にはますがおかだ・増田英彦、チョコレートプラネット・長田庄平のほか、民放各局のお笑い番組を手掛ける制作スタッフと、スタジオの観客100名が参加している。

優勝したえびしゃには賞金200万円のほか、民放キー局5局で2番組ずつに出演できる権利などが与えられた。

今年の『ツギクル』はファイナリスト15組がABCの3ブロックに分かれてトーナメントを行い、各ブロックの代表3組が最終決戦を争った。

最終決戦に進んだのはマルセイユ、エバース、えびしゃの3組。結果としてマルセイユとえびしゃが審査員票で同点となったが、客席票を含めた審査で優勝が決まっている。

『ツギクル』はテレビ制作者が審査に加わっていることもあって、若手向けの賞レースの中ではもっともテレビ出演に直結している大会だ。

過去の優勝者は、昨年がナイチンゲールダンス、一昨年がストレッチーズ、21年が金の国、20年がザ・マミィと、いずれも『ツギクル』獲得をきっかけに露出を増やしている。所属のワタナベには四千頭身、ぱーてぃーちゃん、リンダカラー∞、昨年『キングオブコント』でファイナルに進んだゼンモンキーなど先行するトリオ芸人が数多いが、えびしゃもまたそうした先輩たちの仲間入りを果たしそうだ。

ちなみに、えびしゃが今回披露したのは、昨年の『キングオブコント』準決勝の1日目・2日目と同じネタ。

1本目では見たことがない設定のシチュエーションコントを見せ、2本目では賞レースでは不利と言われる影ナレーション、暗転、音楽を存分に使ったネタで勝ち抜く胆力を発揮しての優勝だった。

そして、『ツギクル』で昨年の『KOC』ネタを使ったということは、今年の『キングオブコント』にはまだ新ネタを残している可能性が高い。今年の『キングオブコント』の台風の目は、この3人の若者かもしれない。

(文=新越谷ノリヲ)

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