トヨタのロバンペラが首位奪還、7本中6本で最速に。初出場勝田は苦境8番手/WRCポーランド

 6月29日(土)、WRC世界ラリー選手権第7戦『ラリー・ポーランド』のデイ3が行われ、SS15終了時点でTOYOTA GAZOO Racingワールドラリーチーム(TGR-WRT)のカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(トヨタGRヤリス・ラリー1)が総合首位に立っている。日本人ラリードライバーの勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1)は総合8番手で大会三日目を終えた。

 折り返しとなるデイ3を迎えた第7戦ポーランド。デイ3開始時点での総合首位はアンドレアス・ミケルセン(ヒョンデi20 Nラリー1)、2番手にカッレ・ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1)、3番手にエルフィン・エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1)がつけ、トップ3は2.0秒差と互角の状況だ。

■ロバンペラが首位浮上。0.1秒差にエバンス

 この日より、走順はデイ2時点での総合順位の降順に入れ替えての走行となり、2024年から導入されたポイントシステムにおいては暫定ポイントの獲得がかかる重要な一日となる。

 この日最初のSS9は現地時間8時半、デイ2よりも5度低い21度の晴れ空のもとでスタートした。オット・タナク(ヒョンデi20 Nラリー1)、勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1)、ティエリー・ヌービル(ヒョンデi20 Nラリー1)の順でコースインしていく。

2024年WRC第7戦ラリー・ポーランド 再走を果たしたオット・タナク(ヒョンデi20 Nラリー1)

 3人が走破したころには観客の安全確保のために今大会4度目の中断があったが、15分後に走行再開となり、全車無事に完走。トップタイムはロバンペラとなり、総合首位ミケルセンとの差は0.5秒に縮まる。

 二本目のSS10は、直線区間とテクニカルな中低速区間を繋いだ約20kmのステージだ。1本目の遅延に起因するディレイで、若干混乱の空気もあるなか、ロバンペラとエバンスがワン・ツーのタイムを記録し、ふたりは総合でミケルセンを上回る。

 続くSS11では、先ほど5秒ほど差が開いたミケルセンがペースを上げ、今大会3度目のステージウイン。2番手タイムにはエバンスが続き、総合トップ3は依然2秒以内という僅差だ。

 そして3時間程空いた昼下がりに、SS12としてスタジアムでのスーパーSSが実施。エバンスとの直接対決を制したロバンペラがステージウインでリードを広げ、各車ミッドデイサービスに入る。

2024年WRC第7戦ラリー・ポーランド カッレ・ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1)

■タナクが離脱。エバンスをパンクが襲う

 整備を終えた午後、ヒョンデ・シェル・モービスWRTは公式Xにて、タナクが日曜日に集中するために以降の出走を断念し、デイリタイアとなったことを報告した。

 タナクがデイ3の戦線から離脱したことで勝田が先頭走者となり、気温も25度へ上がったなかで再走ステージのSS13が開始となる。

 ここでは、総合2番手のエバンスが右リヤタイヤのトレッド剥離に見舞われ、8.9秒のロスで総合3番手にダウン。フェンダーまわりのカウルにもダメージを負ってしまった。

2024年WRC第7戦ラリー・ポーランド エルフィン・エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1)

 SS13の首位はロバンペラとなり、ミケルセンが2番手に続く。この時点でロバンペラがリードする総合での差は2.8秒だ。そして、残る二本のSS14、SS15でもロバンペラの勢いは衰えず。セバスチャン・オジエ組の代役出場とは思えない4連続のステージウインをあげ、最終的にミケルセンとのリードを9.4秒に広げてデイ3を終えた。

 よって、土曜日時点での総合首位ロバンペラ組は暫定で18ポイント、2番手ミケルセン組は15ポイント、3番手のエバンス組は13ポイントを獲得。以下10番手までが、日曜日の完走を付与の条件とした暫定ポイントを獲得している。

 なお、今大会は前半から苦戦が続く勝田は、「デイ2からセットアップを変更した」とのコメントがあったものの慣れるまでに時間を要した様子。さらに出走順も2番手と早いため、引き続き手を焼く一日となった。午後のステージでは轍に対する苦労も口にしている。総合順位では8番手をキープしており、7番手のグレゴワール・ミュンスター(フォード・プーマ・ラリー1)とは17.4秒差だ。

2024年WRC第7戦ラリー・ポーランド 勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1)

 WRC2クラスは、クラストップでデイ3を迎えたサミ・パヤリ(トヨタGRヤリス・ラリー2)がさらにリードを広げ、26.3秒リードで首位を堅持した。そして、2番手につけていたカエタン・カエタノビッチ(シュコダ・ファビアRSラリー2)がSS11でコースオフを喫しデイリタイアとなったことで、ロベルト・ヴィルヴェスとオリバー・ソルベルグ(ともにシュコダ・ファビアRSラリー2)が2番手争いを展開。最終的にはSS14、15でステージウインをあげたソルベルグがクラス2番手を手にしている。3番手ヴィルヴェスとは3.1秒差だ。

 いよいよ総合優勝が決まるデイ4は、SS16から19までの4本が予定されており、ステージの総距離は64.00km、リエゾン(公道区間)も含めた総距離は190.18kmとなる。ボーナスポイントもかかる最終パワーステージは、現地時間14時15分(日本時間21時15分)より走行開始の予定だ。

2024年WRC第7戦ラリー・ポーランド アンドレアス・ミケルセン(ヒョンデi20 Nラリー1)
2024年WRC第7戦ラリー・ポーランド アドリアン・フルモー(フォード・プーマ・ラリー1)
2024年WRC第7戦ラリー・ポーランド 0.1秒差でティエリー・ヌービルから総合5番手を守り抜いたマルティン・セスク(フォード・プーマ・ラリー1)
2024年WRC第7戦ラリー・ポーランド サミ・パヤリ(トヨタGRヤリス・ラリー2)

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