「キャリバイト」本格始動 上市高生徒が地元企業で就労 20種類の求人掲示

貼り出された求人情報に見入る生徒=上市高

 上市高は29日、生徒が地元企業で就労を体験する「キャリバイト」を本格的に始めた。県内17事業所から集まった20種類の求人を校内に掲示した。同校独自のキャリア教育で、協力事業所を増やし生徒の職業観を養いながら県内定着につなげる。上市町は定員割れの続く上市高の校名を「県立キャリア教育高」に変更するよう県に要望する方針を決めており、就職に強みを持つ高校として価値をさらに高める。

 上市町を中心に、コンビニや飲食店、商工会、福祉施設、催事施設、建設会社などから、接客、イベントの運営補助、工事サポート、電話対応といった内容の求人が集まった。

 キャリバイトを希望する生徒は学校を通して事業所に履歴書を提出し、採用後、実際に給料をもらって一定期間働く。協力事業所は、社会で必要なコミュニケーションや身だしなみ、ルールの順守、相手への思いやりといった心得や技能を生徒に教える。

 生徒玄関の掲示板に求人情報が貼り出され、生徒は興味のある求人を探した。接客業に興味を持っている櫻田里奈さん(1年)は、「給料をもらいながらリアルな社会経験を積み、地元で働くイメージを深めたい」と話した。

 県立高校の再編を巡っては、立山町が地元の雄山高を存続させるため、県に対して新たな学科を設置して総定員を増やすよう要望する方針を決めている。

© 株式会社北國新聞社