長嶋さんのバット石川に 全50高校に3本ずつ寄贈

長嶋さんから贈られたバットを見詰める金沢学院大附属高野球部の選手=同校

  ●被災球児気に掛け「ベストプレーを」

 プロ野球・巨人の長嶋茂雄終身名誉監督が代表理事を務める「長嶋茂雄一般財団法人」(東京)が29日までに、石川県高校野球連盟に加盟する全50校に金属バットを3本ずつ寄贈した。能登半島地震で被災した石川の球児のために財団側が企画し、長嶋さんは「いよいよ県大会が始まります。甲子園を目指して頑張りましょう」とエールを送った。

 津幡町文化会館シグナスで28日、県内45校の野球部主将らが参加して贈呈式が行われた。財団を代表して長嶋さんの次女長島三奈さんが出席し、長嶋さんの手紙を代読。各校の主将一人一人に低反発の新基準バットを手渡した。

 手紙では「多くの方々が被害に遭われ、今もまだ大変なご苦労をされていることに心を痛めております」と被災地に心を寄せ、「特に球児諸君の心情が気掛かりでした」と思いをつづった。

 長嶋さんは、球児を少しでも勇気づける方法はないか考えた末、バット寄贈に至ったとし、「球場では投げる、打つ、守る、走る中で一人一人が持っているベストプレーを発揮してください」と7月11日に県大会開幕を控える選手を励ました。

 野球界のレジェンドからのプレゼントに球児からは喜びの声が上がった。金沢学院大附属高野球部の越村大也主将は「このバットで活躍し、甲子園に行けるように頑張りたい」と決意を新たにした。

長嶋茂雄さん

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