八村塁が“歴代最強日本代表”に合流 8強入りを目標に掲げエースの覚悟語る 東京五輪の雪辱へ「成長見せる」

 チームに合流し笑顔で報道陣の質問に答える八村(撮影・園田高夫)

 パリ五輪に出場するバスケットボール男子日本代表候補合宿が29日、都内で公開された。今季NBAでプレーした八村塁(26)=レーカーズ=と、渡辺雄太(29)の2人は28日からチームに合流し、この日初練習。八村が日の丸を背負うのは21年東京五輪以来で、トム・ホーバス体制では初めて。ベスト8を目標に掲げる今夏のパリ五輪へ向け、NBA組のラストピースを加えた“歴代最強日本代表”が始動した。ただ、渡辺雄は6月初旬に左ふくらはぎ肉離れを負ったことを告白。五輪出場へ黄信号がともった。

 ついに八村が日本代表に帰ってきた。203センチの身長、Tシャツの上からでも分かるほど筋肉で膨らんだ巨体を大きく揺らして登場。広報から取材用のマイクを手渡しされると「そのまま(地声)でも大丈夫ですか?」と低く厚みのある声を響かせ、8強入りを目標に掲げるパリ五輪へ向けてエースの覚悟を語った。

 「代表に帰ってこられてすごくうれしい。五輪の舞台に戻れることは光栄。東京は全然いい結果が出せなかった。どれだけ僕らが成長しているかを見せられたら」

 五輪切符を48年ぶりに自力でつかんだ昨夏のW杯は、自身のNBAシーズンを考慮し欠場。五輪についても熟考する姿勢を示していたが、米・ロサンゼルスまで足を運んだホーバス監督らとミーティングを重ね、出場を決断した。初練習となったこの日は午前に体を動かし、午後練習は見学。チームの一員としてコートに立った際のイメージを膨らませた。

 機動力と3点シュートを武器とするホーバス監督のチームスタイルへの対応にも自信をのぞかせた。今季のNBAでは1試合あたり13.6得点、4.3リバウンドを記録。レーカーズの主力としてインサイドを担い大活躍した。指揮官が課題に挙げる「リバウンド」、「3点シュート」を補う上で欠かせない存在。八村は「僕のスタイルに合う」と手応えを示した。

 夢舞台までは残り1カ月を切った。韓国との国際強化試合(7月5、7日、有明アリーナ)を経て現地入りし、本番を迎える。「これまでの代表では僕が一番下だったけど、上の方になってきた。若い選手に影響を与えていければ」。東京五輪3戦全敗の苦い思い出も味わった不動のエースが、リベンジのパリ五輪で日本をベスト8に導く。

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