夏の避難生活で熱中症は避けられない?車中泊や仮設住宅で何を注意したらいい?今すぐ準備すべき“防災グッズ”

暑い日だろうが何だろうが、こちらの都合などお構いなしにやってくるのが「災害」だ。日常生活での熱中症対策はもはや必須と言えるほど年々暑さが厳しくなる日本の夏だが、そんな中、もし被災して避難生活を送ることになったらどうなるだろう。

停電で冷房が使えない、断水でこまめな水分補給ができない、避難所など慣れない場所での生活でストレスがかかる…。そんな環境に置かれ、普段より一層熱中症のリスクが高まる。

日本気象協会が公開している災害時の熱中症対策を参考に、要点を紹介する。

防災グッズに加える熱中症対策グッズ

まずは防災グッズのチェックから。必要なものを見直し、以下の熱中症対策グッズを加えてほしい。

【水分】
1人あたり1日3Lの水か、麦茶などのノンカフェインのお茶

【塩分】
0.1~0.2%の食塩水や、糖分を補給できるスポーツドリンク、塩分を含む飴やタブレット(梅干しと水を組み合わせるなどしても可)

【冷却グッズ】
ネッククーラーや保冷剤、携帯型扇風機やうちわ・扇子

【衣服】
通気性・吸水性・速乾性に優れた衣服・下着

【日差し避け】
日傘、帽子、通気性のよい長袖など

【環境指標計】
熱中症計、温度計・湿度計

避難生活の行動の注意点

では実際に、避難所や車などで避難生活を送ることになった時にはどういった点を意識すればいいだろうか。

【水分補給】
被災地は水が不足しがちで清潔なトイレを確保することも難しく、被災者はトイレを控えようと水分を取る量が減ってしまいがちだ。

気温が高くなると脱水状態になりやすくなるため、意識してこまめに水分を取ろう。

特に高齢者は脱水症状に気付きにくいため、より注意が必要。高齢者の場合、脱水は尿路の感染症や心筋梗塞、エコノミークラス症候群などの原因にもなる。

汗をかきやすい状況では塩分の補給も忘れずに。(※かかりつけ医から水分や塩分の制限をされている場合は、その指示に従ってほしい)

【マスク着用時】
暑い環境でマスクをつけていると、マスク内で暖まった空気を吸い込んで体内に熱がこもったり、より多くの空気を取り込もうと呼吸をたくさんして筋肉を使ったりして、体温が上昇しやすくなる。

また、マスクをしていることでこまめな水分補給を煩わしく感じてしまうこともあるだろう。

意識して体の熱を逃がすように冷却グッズを活用し、水分をこまめに取るように。

【車での避難生活】
密閉された車内では、直射日光によって短時間で車内温度が上昇してしまう。

車内でエアコンが使える場合は活用し、次のような風通しを良くしたり車内温度の上昇を抑えたりする対策を。

・車を日陰や風通しの良い場所に移動する
・断熱シートを設置する
・防虫ネットや車用網戸を張る

仮設住宅は断熱効率が悪い場合も

避難所を出て、仮設住宅に入っている場合も油断は禁物だ。

短期間で建てられるプレハブ仮設住宅などは断熱効率が良くない場合がある。すると、夏の直射日光によって建物が暖められ、室内の熱中症危険度が上がる可能性もあるという。

積極的に換気を行う、冷房機器がある場合には適切に使用するなどして、意識的に室内を快適に保とう。

カーテンや日よけ、植物による緑のカーテンなども活用するといいだろう。

被災して避難所や自宅、車などで避難生活をしている時の体調管理の鍵は、家族や周囲の人とお互いに声を掛け合うこと。避難先でも周囲の人と適度なコミュニケーションをとり、お互いの状況を知るように心がけよう。

(日本気象協会推進「熱中症ゼロへ」プロジェクト より)

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