【元JFA・GKコーチが検証】パリ五輪世代の小久保玲央ブライアンを森保ジャパンに招集すべきか

U-23アジアカップで日本代表の優勝に尽力したGK小久保玲央ブライアン。中国との初戦で相手との1対1を制し、さらにウズベキスタンとの決勝では後半アディショナルタイムにPKを阻止するなど、主役級の活躍をしたことは記憶に新しい。

そのパフォーマンスもあって、「小久保をA代表に招集すべきか」との声が聞かれるようになった。果たして、そこまでの実力はあるのか。元JFA・GKコーチの田口哲雄氏にそう訊くと、「アジアカップでの仕事ぶりは素晴らしかった」と認めたうえで独自の見解を示した。

「時期尚早かなと。ここ1年、(ベンフィカBで)試合にあまり出ていません。2023-24シーズンのポルトガル2部リーグの前半戦は出場していましたが、年明けからU-23アジアカップまでほとんど起用されていません。実は、ベンフィカBにはポルトガルU-20代表のキーパーがいて、彼が怪我をしていたので小久保は先発できたらしいです。その彼が復帰して以降、小久保は控えなのでコンスタントに試合に出ていないのです」

GKの評価基準としてクラブでの出場率が重要であり、その点で田口氏は小久保に「物足りなさがあります」との結論に行き着いている。

小久保の技術的な部分は、同氏曰く「非常に良い」。

「サイズがあって、身体の使い方も上手。身体の大きさを有効活用できていて、バネもあります」

ただ、いくら才能豊かなタレントでもクラブで出番に恵まれていなければ森保ジャパンに呼ぶのは「時期尚早」となる。これはこれでひとつの見解だ。

構成●サッカーダイジェストTV編集部

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