【ラジオNIKKEI賞】好走データは「斤量54kg」と「距離短縮」 東大HCの本命は連勝狙うヤマニンアドホック

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夏福島の名物レース

日曜日、福島競馬場でGⅢラジオNIKKEI賞が行われる。夏の福島開催の始まりを告げる名物レースに、札幌2歳Sを制したセットアップやスプリングS2着のアレグロブリランテら12頭が参戦する。

昨年の勝ち馬エルトンバローズはその後に毎日王冠を制してマイルCS4着、3着馬レーベンスティールは重賞2勝と重賞戦線でも活躍中。今年も遅咲きのスター誕生なるか。過去10年のデータから分析する。

中心はOP組

<ラジオNIKKEI賞・前走クラス別成績>
1勝クラス【3-5-4-48】勝率5.0%/連対率13.3%/複勝率20.0%
2勝クラス【0-0-1-5】勝率0.0%/連対率0.0%/複勝率16.7%
OP・L【5-2-1-25】勝率15.2%/連対率21.2%/複勝率24.2%
GⅢ【0-0-0-8】勝率0.0%/連対率0.0%/複勝率0.0%
GⅡ【2-0-1-13】勝率12.5%/連対率12.5%/複勝率18.8%
GⅠ【0-3-3-16】勝率0.0%/連対率13.6%/複勝率27.3%

まず前走クラス別成績から確認する。昨年エルトンバローズ、シルトホルン、レーベンスティールと3着内を独占した前走1勝クラス組は、前走逃げて勝利していると【1-4-1-9】。本レース自体が逃げ【1-2-3-4】と前残り傾向であることからも、1勝クラスを逃げきった馬は相手強化でも再びの好走が望める。ヤマニンアドホックは期待できる。

2勝クラス組は今年不在のため省略。半数の5勝を占めるOP・L組は前走勝利だと【3-0-0-5】、2~4着馬が【2-1-0-10】。今回は白百合Sで連対したミナデオロとオフトレイルの2頭が該当する。どちらも大崩れは考えづらい。

GⅢ組は全滅しているが、8頭に重賞勝ち馬はおらず、2歳時に札幌2歳Sを勝ったセットアップは立場が異なるといっていいだろう。GⅡは青葉賞組【1-0-1-4】。600mの距離短縮は不安視しなくていい。一方、同距離のスプリングS組は【0-0-0-4】、19年ヒシイグアスと21年ボーデンは1番人気から着外に沈んだ。

最後にGⅠ組。やはり相手緩和の影響は大きく、前走2桁着順でも【0-2-3-12】。22年には皐月賞で2秒差17着のサトノヘリオスが3着と巻き返した例もあり、アレグロブリランテ、シリウスコルトは前走成績だけで見限れない。

斤量は54kgが中心

<ラジオNIKKEI賞・斤量別成績>
52kg以下【0-0-1-23】勝率0.0%/連対率0.0%/複勝率3.8%
53kg【1-4-4-31】勝率2.5%/連対率12.5%/複勝率22.5%
54kg【4-4-2-30】勝率10.0%/連対率20.0%/複勝率25.0%
55kg【3-2-1-13】勝率15.8%/連対率26.3%/複勝率31.6%
56kg以上【2-0-2-19】勝率8.7%/連対率8.7%/複勝率17.4%

続いて斤量別の成績も確認しよう。52kg以下で馬券に絡んだのは20年3着ディープキング(牡馬52kg)のみ。今年は牝馬のメイショウヨゾラが51㎏だが、そもそも牝馬は【0-1-0-20】と振るわないレースであり、軽ハンデの逃げ馬という魅力はあるが見送りたい。53㎏は今年背負う馬がいない。

最も勝利数が多いのは54kgで、今年も4頭が該当する。中でも距離短縮組【3-2-1-14】であり、ヤマニンアドホック、ログラールは軽ハンデ馬の中で魅力的だ。

55kgは前走逃げ先行だと【2-1-0-2】と結果を残しており、ウインマクシマムはこのデータに合致する。

最後に56kg以上。重賞好走馬が多いことを考えると物足りない成績といえる。好走した4頭のうち、メイショウテッコンとアンビシャスは前走OPクラスを0秒2差以上つけて勝ち、レーベンスティールは前走1勝クラスで0秒8差圧勝。3頭は前走でインパクトある勝ち方をしていた。これらに比べるとアレグロブリランテ、サトノシュトラーセ、シリウスコルト、オフトレイルはやや力不足感が否めないか。白百合Sを0秒2差で勝利したミナデオロと、2歳時ではあるが札幌2歳Sを0秒7差で勝利したセットアップを残す。

54kg生かして連勝可能

◎ヤマニンアドホック
新馬戦を3着とし、2戦目で勝ち上がり。2走前の1勝クラスは0秒5差つけられての2着だったが、勝ち馬ヘデントールはその後に青葉賞でも1番人気に推され、2勝クラスを重ハンデで快勝した馬。相手が強かった。3着には0秒3差つけており、悪くない結果といえる。山藤賞ではしっかり逃げきり勝ち。前述の2つの好走データに合致しており、再びの逃げきりを期待できる。

◯セットアップ
新馬戦はホープフルS勝ち馬レガレイラの2着。次走勝ち上がると、札幌2歳Sを0秒7差で快勝した。次走の朝日杯FSはスタート直後先頭、道中2番手追走で7着。先着された6頭のうち3頭は4角10番手以降という差し決着であり、GⅠであったことも考えれば悲観する内容ではない。前走は海外かつ初ダートと度外視可能だ。

▲ウインマクシマム
新馬戦から2、2、1着として勝ち上がり。ホープフルSは最後の直線でレガレイラに寄られる場面があった。自己条件のゆりかもめ賞を0秒4差で逃げきり、青葉賞でも先行して0秒2差の5着と重賞でも戦えることを示した。4着のサトノシュトラーセとアタマ差ながら今回はハンデが1kg軽いのも嬉しい。前につける競馬をすれば上位は堅い。

△ミナデオロ
勝ち上がりに6戦を要したが、芝では掲示板を外していない。白百合Sを逃げきってここへ臨む。鞍上は本馬とのタッグで2連勝中、先々週のマーメイドSで3着に入った若武者・西塚騎手。相手強化かつ57kgというハンデがネックだが、こちらも2連続逃げきり勝ちの可能性もある。

買い目は◎軸の馬連とする。

▽ラジオNIKKEI賞予想▽
◎ヤマニンアドホック
◯セットアップ
▲ウインマクシマム
△ミナデオロ

《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。



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