小池都知事の街宣スポット選びは公明との「しがらみ」案件…不自然な「蜜月動画」拡散

27日は告知なしで突然、江東区に登場(C)日刊ゲンダイ

都知事選(7月7日投開票)を巡る現職・小池知事の動きが不可解だ。先週末の八丈島、奥多摩、青梅と、人が集まりづらい地域での街宣からは一転。29日は下町の足立区・北千住駅前で演説に立った。当地を選んだ背景には、小池が支援を受ける公明党とのしがらみが垣間見える。

足立区では都議補選が28日告示され、自民と立憲の新人同士による一騎打ちの構図。裏金事件の影響で自民は劣勢だ。小池知事の足立区入りは、公明の支持母体・創価学会をテコ入れし、自民新人の当選を確実なものにする狙いがありそうだ。

「都議会の足立区選挙区は定数6で、もともと自公がそれぞれ2議席、都民ファーストの会、共産党が1議席ずつ保有し、立憲都議は不在。自民都議の死去に伴う今度の補選は、立憲に議席を奪われる事態を自民だけでなく、公明も避けたい。前回2021年都議選で当選した公明候補2人のうち1人は最下位当選。仮に補選で立憲が勝てば、来年の都議本選では最下位だった公明都議と立憲都議が議席を奪い合うことになりかねない。公明としては、補選で自民に勝ってもらわなければ困るわけです。そうした意向に沿って、小池知事は足立区入りを決めたのでしょう」(都政関係者)

小池知事は27日には、事前の告知なしで江東区に入った。選挙カーに乗って手を振る姿を映した動画が複数の公明区議によってSNSで拡散されている。都知事選とは無関係な大阪市議まで動画を投稿。選挙カーの小池知事に全力で両手を振る女性が映っているが「明らかに学会関係者の動員」(都ファ関係者)。不自然な動画拡散の背景にも、小池知事の思惑が働いているようだ。

「先の江東区全域が選挙区の衆院東京15区補選で、小池さんが支援した作家・乙武洋匡さんが惨敗。小池さんは選挙戦最終盤で公明に支援を要請するなど、散々迷惑をかけた。これが影響したのか、都知事選を巡る情勢調査で15区は小池さんの支持が低迷。現地入りし『蜜月動画』を拡散することで、挽回を図ったのでしょう」(区政関係者)

小池知事はかつて「しがらみ政治からの脱却」と口にしていたのに、今やすっかり公明にガンジガラメだ。

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