日本のトイレは男女平等なのか? 台湾では女性用の数が3倍らしいが…

長蛇の列にイラッ!

いよいよ夏のバーゲンで、男性が妻や恋人の買い物に付き合わされるたびに気になるのが、トイレ。

百貨店のトイレに同時に入ったのに、妻が出てこない。散々待たされた挙げ句、妻はすっきりした顔で「すっごい並んでた」とひと言……そんな経験、ありません?

〈百貨店のトイレに寄ったら女性用は外まで並んでいた。友人が言うには「台湾の女性用トイレは男性トイレの3倍の面積にすることが法律で決まってる」らしい。そこで、なぜ日本の女性用トイレは並ばないくらい広くなっていないのか議論になった〉──元国税職員という人の、そんなXの投稿がバズっていた。

念のため、台湾の大使館に当たる「台北駐日経済文化代表処」に確認したら、担当者いわく「台湾の建築関連の法令によれば、新規建築物における男女別のトイレの比率については、面積ではなく個室トイレ(大便器)の個数に決まりがあります」とのこと。

学校の授業の合間、駅の列車到着時、映画館での上映後など、一時的に人が集中しがちな「同時使用タイプ」の個室トイレ数は女性5に対して男性1。オフィス、工場、商業施設など、特定の時間に集中するわけではない「分散使用タイプ」は女性3、男性1と定められているという。

ちなみに日本でも職場のトイレの個数は法律で決められていて、男性の大便所の数は社員60人以内ごとに1個、小便所は30人ごとに1個、女性用は20人ごとに1個。男性65人、女性65人のオフィスの場合、男性用の大便所2個、小便所3個なのに女性用は4個と、総数では女性用が少なくなるわけで、台湾なら女性用は6個になる計算だ。

「商業施設は規模によってもまちまちで、東京・銀座の老舗百貨店では男性用の大便器2個、小便器2個に対して、女性用は7個と配慮されていますが、トイレの平均滞留時間は、小便ならチャックを下ろすだけで済む男性より、化粧直しもする女性の方が2分ほど長いというデータもありますからね」(大手ゼネコン関係者)

女性用トイレの前で長蛇の列も納得か。脚本家でライターの源祥子氏はこう話す。

「古い劇場なんかだと、明らかに女性客が多くてもトイレが男女同数だったり……男性用を女性に開放してくれたりしますけど、女性用の数を増やすことで『男女差別』と文句を言う人、いますかねえ。トイレの前で待ちくたびれる男性も内心は『女性用を増やしたら』と思っているのでは」

ただ男女で数を揃えておけばいいという考えは“悪しき平等”か。

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