いわきFC、横浜に完敗 今季最多4失点、初の連敗

【いわき―横浜FC】試合終了後、肩を落とすいわきイレブン。今季最多の4失点を喫した=ハワイアンズスタジアムいわき

 サッカーJ2のいわきFCは29日、ホームのハワイアンズスタジアムいわき(いわき市)で横浜FCと対戦し、0―4で敗れた。連敗は今季初めてで、4失点は今季最多。通算成績は8勝7分け7敗。順位は暫定8位。

 いわきは前半31分に先制され0―1で折り返した。後半は決定機でGKに阻まれると、後半17分と同21分に立て続けにゴールを奪われた。後半追加タイムにも得点され、大敗した。

 いわきは次戦の7月6日、ハワイアンズスタジアムいわきで大分トリニータと対戦する。午後6時開始予定。

【動くグラフで見るJ2順位】

 【評】いわきはリーグ屈指の実力を誇る横浜FCに完敗した。序盤は長短のパスを交えて攻め込んだが、次第に対応され、前半31分にCKの流れからこぼれ球を押し込まれて先制を許した。後半は互いに攻め合う展開に。いわきは何度か好機をつくるも決められず、逆につなぎのミスをきっかけとしたカウンターで2失点。終盤にだめ押しの4失点目をたたき込まれた。(小磯佑輔)

 上位の壁高く

 力の差がそのまま点差となって表れた。上位を相手に今季最多の4失点で、まさに「力負け」。シーズン初の2連敗も喫した。MF山口大輝は「相手はシュートで終われるが、自分たちはボールはつなげてもシュートで終われなかった。攻撃を完結する質が必要。練習するしかない」と語った。

 失点の形は1―3で敗れた26日の長崎戦と同様だった。つなぎのミスから、前掛かりになったところで生まれたスペースを上手く使われ、精度の高いロングボールにも対応しきれなかった。田村雄三監督は「隙を逃さず、1発で仕留める。長崎戦の時も感じたが、相手の質はさすがだった」と振り返る。

 強敵を相手にしても守備的な戦いを選ばないのが田村監督だ。力の差は見えやすくなるがそれを成長の糧にすることでチームを強化する―。その考えが指揮官の根底にある。過密日程の中で上位陣相手に連敗し、最多失点した原因でもあるが、今後のチームの成長につながるはずだ。

 この試合では、負傷離脱していたDF照山颯人の待望の復帰もあった。5月26日の第17節徳島戦で痛めた腰の治療が終わり、リーグ戦では5試合ぶりの先発復帰を果たした。「もう痛みはないし、思ったよりも状態は悪くなかった」と照山。「連敗を引きずらないよう、自分が中心となって次の試合に向かいたい」と意気込んだ。(小磯佑輔)

 初先発の棚田、ドリブル光る

 いわきは今季加入のFW棚田遼が初先発。前半のみの出場となったが、武器とするスピードに乗ったドリブルで存在感を見せた。棚田は「ポジショニングなどで相手が嫌がることはできた」と試合を振り返った。

 今季J1広島から加入したものの、股関節のけがで長く治療に専念しており、先月チームに完全合流した。この日を含めてリーグ戦3試合連続出場中で、「試合を重ねるごとにコンディションは良くなっている」と手応えを語る。

 ただ、相手の堅守に阻まれ、前半のチームのシュート数は自身の1本も含めてわずかに2本。「もっとゴールの近い位置でパスを受け、シュートを打っていきたかった」と反省点を口にする。次戦に向け、「悪い流れを変えるために個人としてもっと長い時間出場し、ゴールを決めたい」と気持ちを切り替えた。

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