男子K2で林・和田組(河北中)が雪辱のV 山新杯東北中学カヌー

〈男子カヤックペア決勝〉僅差で逃げ切りゴールした(右から)林隼輝・和田竜政(河北中)=西川町・月山湖カヌースプリント競技場

 山形新聞杯東北中学生カヌー大会(東北ブロックカヌー協会主催、県カヌー協会、山形新聞社共催)は29日、西川町の月山湖カヌースプリント競技場でカヤックとカナディアンの各種目を行った。県勢はカヤックペアで、男子の林隼輝・和田竜政(河北中)、女子の今野紗愛・鹿野日南莉(同)がそれぞれ制した。林と鹿野は同3年シングル、同フォアでも頂点に立った。県勢は全14種目中10種目で栄冠を手にした。

 最優秀選手をたたえる山形新聞杯には林、優秀選手の加藤杯には1年生が前山瑠南(青森・白神カヌーク)、2年生は鈴木琥葉久(西川中)、3年生は鹿野が選ばれた。

終盤逆転、0秒42差制す

 ゴールまであと約50メートルの地点だった。男子カヤックペアの決勝で林隼輝・和田竜政(河北中)は高橋若菜・鈴木琥葉久(西川中)を追い抜き頂点に立った。差はわずか0秒42。林は水面をたたいて喜んだ。前週の県中学カヌー大会で敗れた相手に雪辱を果たし「いいこぎができた。無事に勝つことができてうれしい」と喜びを前面に出した。

 敗戦を踏まえて戦略を練ってきた。県大会で林と和田は残り約100メートル地点でスパートをかけたが、先頭の高橋・鈴木を捉えることができず2位となった。今大会ではさらに手前からギアを上げると決めていた。スタートすると、再び西川中ペアが先を行く展開に。ゴールまであと約200メートル、パドルをこぐ力を一層強めると林は「2人のフォームがそろっているのが分かった」。スピードに乗り、ライバルを抜き去った。

 今月初めに部内でタイムを測定し、上位の2人でペアを組んだ。短期間で課題を確実に修正して東北を制した。2人は山口時生、工藤陸斗と臨んだ同フォアも制し、林は同3年シングルを含む3冠。2年生の和田は「先輩を信じて付いていった結果」、林は「最終学年で目指していた3冠を達成できた」と充実した表情を見せた。

絆が強み、女子K2で今野・鹿野組(河北中)圧勝

 女子カヤックペアは今野紗愛・鹿野日南莉(河北中)が2位に8秒以上の差で圧勝した。幼なじみの同級生ペアは「信頼関係が強み。勝つ自信はあった」。互いを信じ東北王者を手にした。

 得意のスタートダッシュが決まった。素早いピッチでこぎ出すと勢いに乗り、トップを維持。疲れで後半に動きが鈍くなったが、先頭の鹿野は「紗愛ちゃんが後ろから押してくれた」と相棒の力強いこぎに勇気づけられた。

 部内で同学年の女子は2人だけ。1年秋からペアを結成したが、身長差18センチの2人は動きを合わせにくいのではと周囲に心配された。橋本佳久監督は「ずっと2人で努力し、3年生になって結果につながっている」と評価した。見据える先は全国大会での優勝だ。圧勝のレースにも後半のスタミナを課題に挙げ、鹿野は「安定感を追求する」、今野は「力強さを磨く」と大舞台に向けて意気込んだ。

〈女子カヤックペア決勝〉優勝した(左から)鹿野日南莉・今野紗愛(河北中)

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