【季節のお菓子とビールで愉しむ】6月 青梅の甘露煮

ビール好きの皆さま、梅雨の季節ですね。気圧の変化や湿度など雨が続くのは大変ですが、降らな過ぎるのも水不足が心配になります。

今月はじっくりことこと煮含める青梅の甘露煮をご紹介します。ビールとのペアリングもお楽しみに。

6月のお菓子:青梅の甘露煮

青梅の甘露煮とは

「梅雨」の語源には、この時期湿度が高くかびが生えやすいことから「黴雨(ばいう)」と呼ばれ、これが同じ音の「梅雨」に転じたという説、くさるという意味の「潰える(ついえる)」から変化した説など諸説あるようですが、私はやはり梅の実が熟す時期だからというのがシンプルで好きです。

梅の実は生の状態で食すことはなく、梅干し、梅酒などほとんどが加工して使われます。これら梅の保存食を作ることを梅仕事と呼びますが、楽しみを貯金するような豊かな時間の使い方ではないでしょうか。

青梅の甘露煮も作ってから1ヶ月ほど楽しめます。来年の青梅の時期にぜひお試しください。

材料 青梅1kg分

青梅1kg、水約1.6l、砂糖約800g

作り方

1. 青梅を購入する際は、なるべく大粒で傷のないものを選ぶ。
袋に入れたままだと蒸れて痛みやすいので、家に着いたらすぐに袋から出す。
2. 梅の実をさっと水洗いし、竹串で成り口のホシ(枝の軸)を取る。深い傷のある実はここで除き、重量を測っておく。
3. 消毒したまち針で実1つにつき20ヵ所くらい穴を開ける。
4. 実と水(分量外)を鍋に入れて火にかけ、鍋底に実が当たらないようそっと手で混ぜながら茹でる。
お風呂くらいの温度(40〜45℃)になったらお湯を捨てる。

同じことを3度繰り返す。実のあくが抜け、柔らかくなる。
5. 大きな鍋になるべく実が重ならないようそっと並べ、水(傷んだ実を除いた重量の1.6倍)を入れる。
砂糖は実の重量の80%を使用するが、まず1/3を加えて弱火で煮始める。
6. クッキングペーパーを落とし蓋としてかぶせ、5分ほど煮る。
残りの砂糖の半分をクッキングペーパーの上から加え、さらに5分煮る。
7. 残りの砂糖も加え、さらに5分煮てから火を止め、粗熱が取れるまで冷ます。
(味見したので実が減ってます…)

保存容器に実が破けないようそっと並べる。
8. 鍋に残ったシロップはもう一度煮立ててから保存容器の実がすべて浸るくらい注ぐ。

余ったシロップは炭酸水で割って飲んでも、甘酢がわりに料理に使っても美味しいです。
9. できあがり。

ペアリング

コロナ・エキストラ

「コロナ・エキストラ」はメキシコ発祥のビールです。ライムを入れて飲むので有名ですが、梅の酸味(クエン酸)も同様に合うのではないかと思い試してみました。

コロナ・エキストラ

思ったとおりよくマッチしますね。
もともと南国らしいすっきりさっぱりした爽快さが売りのビールですが、甘露煮と一緒に口に含むと
ライムより酸味が柔らかく甘味があるためか、ごくごくといけてしまいます。

和のイメージが強い梅とのペアリングは意外性があるのではないでしょうか。
梅雨の晴れ間の夜に楽しみたい組み合わせです。

ABV:4.5%

オリエンタルマジシャン

もう1本は黒糖梅酒のイメージでペアリングしました。横浜ビールの「オリエンタルマジシャン」です。

横浜ビール オリエンタルマジシャン

レーズンのような風味があるダークラガーです。
黒ビールもさまざまありますが、あまりロースト感が強いと梅の酸味とケンカしてしまう気がして、フルーティさをもつこのビールを選びました。

甘露煮の甘さがこっくりと引き立ち、大人のおやつという感じです。窓辺から篠突く雨を眺めながら味わいたいですね。

ABV:5.0%

雨の時期も楽しんで、まもなくやってくる夏に備えましょう。

いかがでしたでしょうか?それではよきビールライフをお過ごしください!

© 一般社団法人日本ビアジャーナリスト協会