夏の主役たち⑪ 剣道女子 総合力で今年2度目の日本一を目指す明豊 【大分県】

3月の全国高校選抜大会で日本一になった剣道団体女子の明豊は、全国高校総体でも日本一を目指す。来月7日に開幕する九州高校大会は全国トップクラスの高校が集まり、腕試しとして格好の場になる。優勝を目指し、日本一に向けて不安材料を解消したい。

団体戦で大将となる東瑚子(3年)は、個人戦でも日本一を狙える逸材。岩本貴光監督は「昨年から上の学年のメンバーに入っていたが、今年になって飛躍的に力をつけた。打って良し、守って良し。日本を代表する剣士になれる素質がある。団体では東にいい形で回せば勝負を決めてくれる」と絶大な信頼を寄せている。東は「プレッシャーはあるが、みんなの期待に応えたい気持ちの方が強い」と自分の役割を心得ている。

日本一に向けて稽古に励む

東に引っ張られるように他のメンバーも成長している。飛び込み面を得意とする中元緑映(2年)は、派手さはないがしっかりポイントを取れる選手。全国選抜以降に足を使ったスタイルに移行し、力を伸ばしている。団体戦では中堅を担うことになりそう。

試合巧者の大前瑶華(2年)は、対戦相手によって柔軟に対応でき、一本を取る剣道に磨きがかかる。「東さんの負担を減らしたい。前の4人で勝負を決めたい」と副将として自覚が芽生える。

岩本監督は「団体戦は総合力が問われる。全体の流れを読み、対戦相手や時間に応じて、勝たなければいけない状況なのか、引き分けでもいいのか判断できなければいけない」と日本一になるためのポイントを挙げる。絶対的なエースがいるのは武器ではあるが、それは相手にとって対策を練りやすくもなる。「引き分け狙いの相手に勝ち切るのは東でも難しい。だからこそ他の4人の力が必要になる」(岩本監督)。地元開催となる全国高校総体では5人の力を結集して、再び頂点を目指す。

個人、団体で日本一を狙う東瑚子

(柚野真也)

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