J2昇格へ膨らむ期待 福島ユナイテッドFC 前半戦暫定4位

 29日に北九州市で行われたサッカーJ3第19節。福島ユナイテッドFC(福島U)はギラヴァンツ北九州に1―2で敗れたが、暫定4位で前半戦を折り返した。30日の他チームの試合結果によって変動する可能性はあるが、昇格プレーオフ圏内に入っており、サポーターは悲願のJ2昇格に向けて期待を膨らませる。

 リーグ戦序盤、攻守がかみ合わず4月下旬には20チーム中18位に沈むなど苦しんだ。結果が出ない状況でも、寺田周平監督は「攻撃サッカー」を貫く姿勢をぶらさなかった。指揮官の覚悟を選手が受け止め、ハードワークとつないで崩す連係の精度を高めてきた。4月末の第11節のいわてグルージャ盛岡戦。J3の1試合最多得点記録となる9点を挙げ、自信をつけた。この試合から4連勝と波に乗り、6月にも3勝を挙げた。

 チームの好調の要因は若手の台頭だ。U―19日本代表に選ばれた若き司令塔・MF大関友翔(19)が鋭いドリブルと正確なスルーパスを武器に、前線にボールを供給。チームがペナルティーエリア内でつくった決定機の数を集計した「チャンスクリエイト総数」は前節終了時点で225とリーグトップを誇る。2年目のFW塩浜遼(24)はチーム最多の7ゴールを挙げて攻撃陣をけん引する。

 第19節の2試合を消化していない29日時点の暫定順位では、2位から10位が勝ち点4差にひしめく混戦。後半戦から他チームのマークがより高まると想定され、勝ち点を積み上げられるか注目される。寺田監督は「後半戦はより厳しい戦いとなるが、選手とともにファイトする気持ちを胸に上位に食らい付く」と力を込めた。

 福島市のスポーツバーファントムで声援を送った福島市の会社員岸波礼子さん(52)は「今回の敗戦を糧に、後半戦も上位を目指してほしい。サポーター一丸となって応援し、J2昇格を後押ししたい」とさらなる躍進を願った。

福島Uを応援するサポーター=29日、福島市・スポーツバーファントム

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