「大きな一歩になった」東京Vの山田楓喜がリーグ戦6戦ぶりの先発で存在感。試合前の心境を吐露「正直、楽しみが半分、不安が半分だった」

[J1第21節]横浜 1-2 東京V/6月29日/日産スタジアム

「自分としても、大きな一歩になった」

そう振り返ったのは、東京ヴェルディの山田楓喜である。

2-1で勝利したJ1第21節の横浜F・マリノス戦で、3-4-2-1の右シャドーで先発した山田楓は、攻撃面ではセットプレーから自慢の左足でチャンスを演出。12分の山見大登の先制ゴールも、背番号18のCKの流れから生まれたものだ。

また、守備面では切り替えの早さに加え、逆サイドまでチェイシングするハードワークが光った。

【動画】山見の強烈ミドル弾!
山田楓はリーグ開幕からの7試合で3ゴールをマークし、U-23日本代表としてパリ五輪の出場権を獲得したU-23アジアカップの優勝にも貢献。しかし、5月19日の第15節・FC町田ゼルビア戦以降は、コンディション不良で公式戦の欠場が続いていた。

そうしたなか、6月22日の第19節・名古屋グランパス戦で、約1か月ぶりに実戦復帰。そして今節がリーグ戦で6試合ぶりの先発だった。

横浜戦では55分に染野唯月との交代でベンチに下がったが、22歳のアタッカーは「ボールに触る時間は少なかったですけど、そうしたなかでいろんな戦術や試合の運び方に適応してやり切るという、別の自分を見つけられた」と手応えを示す。

そして、今後に向けた決意も口にした。

「自分たちがボールを持つ時間は自分の持ち味を出せるし、相手の時間帯でもチームのために戦えることが証明できた。正直、久しぶりのスタメンで、試合前は楽しみが半分、不安が半分だったけど、ピッチに入っていく時に(サポーターの)声援を聞いたら、込み上げてくるものがあった。久しぶりでやれなかったっていう言い分けができないくらいの熱量だったので、これからもそういう気持ちを忘れずにやっていきたい」

東京Vは次節、セレッソ大阪をホームで迎え撃つ。そこでも山田楓は存在感のあるプレーを披露し、完全復活を印象付けられるか。第7節の柏レイソル戦以来のゴールにも期待だ。

取材・文●金子徹(サッカーダイジェスト編集部)

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