パリ五輪・パラ選手団ジャケット 縫製急ピッチ エスポワール社(青森・六戸町)

パリ・パラリンピック選手団のジャケット縫製を急ピッチで進める職員=26日、六戸町

 パリ五輪・パラリンピックの開会式で日本代表選手団が着る男性用ジャケットの縫製作業が、青森県六戸町の「エスポワール」(蹴揚敏美社長)でピークを迎えている。来月26日の五輪開幕まで1カ月を切り、従業員は「ベストを尽くして納得のいく結果を残してもらいたい」との思いを織り込み、作業を急ピッチで進めている。

 同社は1988年創業。手作業での裁断技術に全国的な評価を得ている。2012年ロンドン五輪、16年ブラジル・リオデジャネイロ五輪の際も開会式や渡航用のウエア縫製を担った実績がある。

 今回は東京のユニホームメーカーから約700着を受注した。従業員24人がフル稼働し、1日最大35着を作っている。

 5月初旬から選手の採寸データが届き始め、縫製や発送作業を並行して進めた。6月中旬ごろまでに五輪の当初受注分は終わり、現在はパラリンピック選手団用のジャケットを作っている。

 ジャケットは白を基調に、襟やポケットを赤く縁取ったシンプルなデザイン。胸には五輪とパラリンピックそれぞれの大会ロゴをあしらっている。背中や襟といった各部分を別々に作った上で縫い合わせる。

 蹴揚社長の息子の勇也専務(43)は「県出身選手も含め、代表選手には活躍してほしい。開会式を(テレビで)見るのが楽しみ」と期待を込めて話した。

 パリ五輪・パラリンピックには現時点で県勢7人(五輪6、パラ1)の出場が決まっている。

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