八戸三社大祭まで1カ月 六日町附祭若者連、10人余で山車作り奮闘

山車小屋で制作作業を進める六日町附祭若者連の名久井さん=29日午後8時半ごろ、八戸市十日市

 7月31日の前夜祭で開幕する八戸三社大祭まであと1カ月。青森県八戸市内の各山車小屋では、祭り本番に向けて山車作りが急ピッチで進められている。六日町附祭若者連は5年前、近くの鍛冶町にあった山車小屋を土地所有者の都合で約4キロ離れた同市十日市に移した。市中心部から遠いことや人手不足など課題は多いが、他の山車組と協力しながら制作に励んでいる。

 昨年、祭り参加130周年を迎えた六日町は現在、10人余りの少人数で制作作業を行っている。責任者代行の木村明生(あきお)さん(60)は「担い手問題はどの組も抱えている。うちのような小さいエリアで、隣接する町内会も山車組を持っているところは参加者を集めるのも難しい」と苦しい胸の内を明かした。一方で「広域の町内会の方が人数も多くなるからといって不公平だとは思わない。それぞれの組が特徴を出そうと頑張って一つの作品を作っている」と話した。

 六日町の今年のテーマは「酒呑童子(しゅてんどうじ)」で、鬼の迫力をいかに見せるかが鍵となる。29日は副責任者の名久井年一さん(54)らが、山車の部品制作などの作業に当たっていた。

 山車小屋からは、市中心部までの移動に約1時間半かかり、けん引免許を持つ人員が必要になるなど不便なことも多い。だが、同じ場所には長横町粋組、青山会山車組、八戸共進会山車組が小屋を構える。名久井さんは「みんなで『この道具がいいよ』と道具について情報交換したり協力し合っている」と語る。

 六日町は30日に太鼓の練習が始まるなど、祭りムードが高まってくる。木村さんは「とにかく本番はけがなく安全に終われるよう、楽しい祭りになるように頑張りたい」と話した。

 今年の祭り期間は例年通り7月31日~8月4日の5日間。1日の「お通り」と3日の「お還(かえ)り」は神社・山車の合同運行、2日は山車の夜間運行を行う。31日の前夜祭と4日の後夜祭では各組の山車を展示する。

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