「精神的に追い込まれて、街中で小さい子の声を聞くのがつらかった」不妊治療を乗り越えて、喜びと不安に揺れる妊娠生活【体験談】

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不妊治療を経験して妊娠した2人のママに、赤ちゃんを授かるまでの道のりと妊娠してから感じた気持ちの移り変わりを、当時の不安度を数値化しつつ教えてもらいました。2人とも無事に妊娠できたあとも赤ちゃんのことがとても心配だったようで…。

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体外授精で妊娠した順子さんの場合

結婚後すぐに妊活を始めたものの、授からなかったので、不妊治療をスタート。当初は治療さえすればすぐに妊娠できると考えていましたが、人工授精を繰り返してもまったく結果にはつながらず…。精神的に追い込まれて、街中で小さい子の声を聞くのが嫌、嫌になる自分がさらに嫌という状況でした。

そんな私が妊娠したのは、転院先で体外受精に挑戦して1回目のこと。ステップアップしたおかげはもちろんですが、転院先のクリニックが大混雑で「不妊で悩むのは自分だけじゃない」と、安心できたことも大きいと考えています。
ただ、妊娠判明後はすぐ手放しで喜べたわけではなく、妊娠が継続できるかどうかの不安を募らせ、SNSでの検索を繰り返していました。

順子さんの不妊治療中〜妊娠後のメンタルの移り変わり

不妊治療を開始。人工授精に5回トライ!【不安度10】

結婚後すぐに妊活開始。少しでも早く子どもが欲しかったので、2カ月ほどで自己流を切り上げ、通院スタート。タイミング療法を経て、人工授精に5回挑戦する。しかし、いずれも結果が出ず。生理が来るたびに、落ち込む日々…。

転院先で仲間がたくさんいることに驚く【不安度10】

有名な不妊治療専門のクリニックに転院。以前通っていたところは閑散としていたため、「なぜ自分だけが…」と孤独感を強めたが、新しいクリニックは人がいっぱい。同じ悩みを抱える人がこんなにいる!と心強くなった。

1度目の体外受精で妊娠する【不安度8】

初めての体外受精に挑戦。クリニックで判定の出る数日前に喉の奥が少しムカムカするのを感じ、「つわり?期待が大きすぎるせい?」と家で検査してみると陽性反応が。驚いたけれどすごくうれしい!

流産のことが気になる【不安度7】

エコーの画面でピコピコと動く赤ちゃんの心拍を確認でき、とてもハッピー! ただ、いろいろな体験談をSNSで見ていた影響もあり、「まだ安心できない」と喜びすぎないように気持ちをセーブ。

つわり終了がうれしい一方で…【不安度6】

つわりの症状が治って、体調が復活!それはよかったものの「赤ちゃんは無事かな?」と不安な気持ちも。超音波検査装置をレンタルできるサービスを利用し、家で赤ちゃんの状況を確認!

中期に入って胎動が強まり、安心できるように…【不安度2】

赤ちゃんの胎動を感じ始めたときはまだまだ心の中でくすぶっていた不安も、胎動が強まっていくのと反比例して、軽くなっていった。妊娠後期にはすっかり気持ちが晴れて、マタニティライフを満喫!

人工授精で妊娠したmeguさんの場合

最初は不妊治療をすることにためらいを感じていましたが、結婚後2年たっても授からず、重い腰を上げて挑戦することに。初めに産婦人科でのタイミング療法を半年したものの、結果は出ず、不妊治療の専門医にかかりました。

当時を振り返ると、気持ちは真っ暗闇の中。生理が来るたびにいっぱい泣いて荒れて、夫にもたくさん心配をかけました。

結局、不妊治療に取り組んでからは、1年以内で妊娠。しかし、自己流の妊活を含めると3年近くたっていたので、妊娠検査薬で陽性を見たときは、うれしいのと同時に自分も妊娠できる体だったのかと、心底ほっとしたことを覚えています。

meguさん不妊治療中〜妊娠中のメンタルの移り変わり

不妊治療を開始【不安度8】

一般的な産婦人科で半年タイミング療法に取り組んだものの、結果は出ず。不妊治療の専門医へ転院。それまで流産の経験はなかったものの、流産を起こしやすいリスク因子があると検査結果が出る。

タイミング療法で結果が出ずにステップアップ【不安度10】

引き続きタイミング療法をするが、妊娠できず、ステップアップを決意。当時はたくさん泣き、生理がくるとやけ酒したことも。身内の妊娠に「おめでとう」と言ってあげられない自分が悲しかった。

自宅でのフライング検査で陽性反応が【不安度9】

クリニックの判定日前に、家でフライング検査をしたら、まさかの陽性反応が。後日夫婦で診察に向かうと、医師から妊娠していると診断される。あまりの喜びに夫とハグをして、2人で泣いた!

妊娠6週で心拍を確認できたものの、流産のことが気になる【不安度8】

心拍の段階まで来てくれて、とてもうれしい気持ちに。しかし、身内に流産経験があったことや、自分に流産リスクがあると言われたことから、赤ちゃんが心配でたまらない。どうか子宮にしがみついてと願う。

つわりで吐き戻す日々。処方された薬を飲むのもつらい【不安度10】

つわりが勢いを増し、吐き戻す日々が到来。仕事先にも相談。とにかく自分の体調のことで精いっぱいになる。流産予防に処方されている錠剤の薬を飲むのが、気持ち悪くてつらい。だけど、頑張る。

つわりを終えて、久しぶりの外食へ【不安度2】

妊娠17週ごろにつわりから回復。家でぐったりしていた日々が終わり、20週に久々の外食へ。ごはんがとてもおいしく感じられ、うれしい。その後、流産予防の薬は36週まで継続。38週で出産!

取材・文/江原めぐみ、たまごクラブ編集部

妊娠を望んでいるのに妊娠できない・・・。33歳で不妊治療をスタートしたまんが家。流産を経験しながら体外受精でわが子に出会うまで

不妊治療を乗り越えて妊娠したあとも、不安でいっぱいだったお二人。現在は無事に出産し、育児に奮闘中で、たいへんながらも楽しい毎日を過ごしているとのことでした。同じような不安を抱えている不妊治療後の妊婦の皆さん。赤ちゃんへの心配はつきものだと思いますが、できるだけリラックスできる環境に身を置き、ゆったりと過ごしてくださいね。

●記事の内容は記事の内容は2024年5月の情報で、現在と異なる場合があります。

参考/『初めてのたまごクラブ』2024年夏号「不妊治療を乗り越えて。私の妊娠ヒストリー」

初めてのたまごクラブ 2024年夏号

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