イラン大統領選、来月5日に決選投票 改革派と保守強硬派が対決へ

イラン大統領選は、改革派のペゼシュキアン元保健相(右)と保守強硬派ジャリリ元最高安全保障委員会事務局長との間で決選投票が行われる/Getty Images

テヘラン/アブダビ(CNN) イランで28日に投開票された大統領選は、改革派のペゼシュキアン元保健相(69)が最も多くの票を獲得したものの過半数には届かず、2位の保守強硬派、ジャリリ元最高安全保障委員会事務局長との決選投票が7月5日に実施されることになった。

選管の発表によると、得票率はペゼシュキアン氏が42.5%、ジャリリ氏が38.6%。有権者6000万人のうち投票したのは2400万人で、投票率は40%と、1979年のイスラム革命後に実施された大統領選での最低を記録した。

聖職者や法律専門家12人で構成する護憲評議会が結果を審査した後、両氏が決選投票に向けて選挙戦を再開する。

大統領選は、先月19日にライシ大統領らがヘリコプター事故で死亡したことを受けて実施された。

立候補者6人のうち、保守派の2人が前日、保守票の集約を図るために撤退していた。

改革派からも数十人が立候補を届け出たが、「護憲評議会」の審査で失格となり、ペゼシュキアン氏だけが残った。

イランの選挙は高い投票率を誇ってきたが、近年は関心の低下が目立っている。ペゼシュキアン氏が立候補を認められたのは、有権者の関心を高め、投票率を上げようとする戦略だったとの見方もある。

ペゼシュキアン氏は心臓外科医でもあり、反政府デモを支持する発言で注目された。父がアゼルバイジャン人、母がクルド人で、人種的少数派から支持を集めている。

ジャリリ氏は最高指導者ハメネイ師の長年の国家安全保障顧問で、核交渉の元責任者。欧米への強硬姿勢で知られる。

イランでは最高指導者が最終決定権を握り、大統領は対外的な「顔」の役割を果たす。

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