カフェとともにベルリンを知る−価値観を変えるドーナツ Atelier Dough編

コーデスナップ海外班がストリートスナップ途中で見つけた、気になるカフェを紹介するこの企画。今回、見つけたのはドイツのカフェ、Atelier Dough(アトリエ・ドウ)。カフェに併設するドーナツ工場で作られたフレッシュなドーナツとスペシャリティーコーヒーを楽しむことができることから、急激に注目を集めています。我々はファウンダーのギュヴェン・オールーさんの案内のもと、早速カフェに伺いました。

Atelier Dough

Atelier Doughの位置するグローガウアー通りはクロイツベルク地区とノイケルン地区をつなぐ賑やかな通り。すぐ近くにはベルリンの人々の憩いの場・ランデヴェル運河があり、運河沿いを散歩する途中に訪れるのに最適な場所です。南に行くとヴィンテージの古着屋や賑やかなバーやレストラン、居心地のよいカフェが立ち並ぶ、ヒップでボヘミアンやロイター・キーツ(ロイター通りを中心とする、小さなエリア)があります。

ファウンダーでベイカーのギュヴェン・オールーさん。ギュヴェンさんはAtelier Doughをオープンする以前、IT業界で働いていたというユニークな経歴の持ち主でもあります。

ギュヴェンさん:Atelier Doughは2014年にニューヨークでハイビスカス・グレーズ・ドーナツに出会ったことから始まります。人生で初めてアメリカの本物のドーナツを食べた私は、その美味しさに衝撃を受けたのです。私はパリで学業を終え、ロンドンのGoogleで2年間働き、その後ベルリンに引っ越しました。以後4年間もIT業界で働いていましたが、次第とオフィス仕事に疲れてしまったのです。自分の手を使った仕事がしたくなった。そのときに、何年も前にニューヨークで食べた、あのドーナツを思い出し、ベルリンで自分のドーナツショップをオープンすることに決めました。

カウンターを中心に構えるミニマルな作りの店内は客席とドーナツ工場がひと続きになった、開放的で明るい雰囲気です。

カウンターには見ているだけで幸せな気持ちになれるドーナツがずらりと並んでいます。食感から選ぶのもよし、フレイバーで選んでもよし。期間限定のドーナツもあるので、何度も通いたくなります。

特に人気なドーナツはクレームブリュレドーナツ。ザクザクとしたカラメルの食感と中にたっぷり詰まったクリームがたまりません。ギュヴェンさんは「このドーナツで多くの人が私たちを知ることになった」と語ります。

ギュヴェンさん:このドーナツはクラシックなフランスのデザート・クレームブリュレをドーナツにアレンジしたものです。シルクのように滑らかなヴァニラクリームのフィリングが、柔らかくふわふわなドーナツの中に詰まっていて、その上はカリカリなカラメルがトッピングされていますよ。

ベルリン発のロースタリー・FJORDのコーヒー豆を使った、シングルオリジンコーヒーを楽しめるのもAtelier Doughの魅力の一つ。取材時には華やかな酸味と甘味のある、ペルー産の豆を使ったフィルターコーヒーをいただきました。

客席の様子。一面の大きな窓から差し込む日差しが店内を包み込みます。「よく晴れた日の光の入り方は本当にマジカルですよ!」とスタッフの方が教えてくれました。

店舗情報

Atelier Dough

Info.

https://www.atelierdough.com

Glogauer Str. 9, 10999 Berlin GERMANY

火〜木:11時〜17時

金〜日:11時〜18時

※月曜休業

Senior writer / Photographer:Yuko Kotetsu

Coordinator:Yuri Wakamori

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