アルカラスが同一年での全仏とウインブルドンの連続優勝に意欲!「大きな挑戦だが準備はできている」<SMASH>

間もなく開幕する今季3つ目のテニス四大大会「ウインブルドン」(7月1日~14日/イギリス・ロンドン/芝)。今大会にディフェンディングチャンピオンとして臨む男子テニス世界3位のカルロス・アルカラス(スペイン)は“新たなマイルストーン”を築き上げることへの並々ならぬ意欲を見せている。

それこそが同一年での全仏オープン(フランス・パリ/クレー)とウインブルドンでのタイトル獲得だ。1968年のオープン化以降、男子選手でこれを成し遂げたのはロッド・レーバー(オーストラリア)、ビヨン・ボルグ(スウェーデン)、ラファエル・ナダル(スペイン)、ロジャー・フェデラー(スイス)、ノバク・ジョコビッチ(セルビア)の5人のみ。サーフェスがクレーから芝と大きく変化することもあり、達成するのが非常に難しい記録の1つなのだ。

先の全仏を制したことによりそのチャンスが巡ってきたアルカラス。ウインブルドン開幕前のメディアデーで21歳の若獅子は「四大大会で優勝するのは難しい。クレーから芝のように、全く異なるサーフェスの変化があるとなおさらだ」としつつも、「僕はそれに挑戦したい。同じ年の全仏とウインブルドンの優勝者のリストに、新たに自分の名前を加えたい。非常に困難で大きな挑戦になるだろうが、準備はできている」と力を込めた。
前哨戦の「シンチ選手権」(イギリス・ロンドン/ATP500)では2回戦敗退と結果を残せなかったアルカラスだが、その分前回覇者として参戦する今大会に向け、しっかりと鍛錬を積んできたという。経験の少ない芝コートで躍進を遂げた昨シーズンを振り返りつつ、次のように語った。

「クイーンズ(シンチ選手権の開催地)の後、僕は自分のゲームに適応するべくトレーニングし、プレーを改善するために何日も費やした。負けた翌日から、より快適にプレーできるように練習した。ウインブルドンへの準備はできていると思う。

(昨年の)クイーンズでは、芝でも1回戦や2回戦のようなアーリーラウンドではなく、準決勝や決勝のような上位ラウンドで自分の最高のレベルを発揮できることに気付けた。素晴らしいテニスができたことを覚えているし、どんな風にゲームを展開するべきなのかも理解できた」

テニスの聖地でアルカラスがどんなプレーを見せてくれるのか、非常に楽しみだ。

文●中村光佑

© 日本スポーツ企画出版社