【早出し】長い歴史に思いはせ 最上川200キロを歩く第8週

遠隔式草刈り機を操作し、除草に挑戦した大石田町大石田小の児童=大石田町

 山形新聞、山形放送の8大事業の一つ「最上川200キロを歩く 小学生探検リレー」は第8週の29日、大石田町大石田小(阿部浩明校長)の4年生18人が隼橋(村山市)-大蔵橋(大蔵村)間を担当した。川沿いを歩き、地元で育まれた舟運の歴史や堤防の役割、水防の努力について学んだ。

 同校で出発式を行い、国土交通省新庄河川事務所の今森直紀所長が「国交省は洪水を防ぐのも仕事。最上川を歩き、さまざまな施設を見て、感じたことを家に帰って家族と話してほしい」とあいさつ。阿部校長は児童たちに「本物に触れ、学校では学べない新しい発見をいっぱいしてほしい」と呼びかけた。

 参加児童を代表し、伊藤樹生(いつき)さん(9)と金田朗輝(あきら)さん(9)が11週にわたってバトン代わりに受け継ぐビッグフラッグを掲げ、その前で東海林光さん(10)が「最上川は生活に欠かせない存在。水質調査や堤防散策を通じ、さらに詳しくなりたい」と決意表明した。

 一行は新緑を背に川の流れに沿って歩を進め、大石田特殊堤で江戸時代の街並みを再現した壁画を眺め、舟運によって栄えた頃の町に想像を膨らませた。樋管やポンプ車を使った排水実演では流れ出る水の勢いに驚きの声が上がり、草刈り機の無線操縦、水質検査といった体験も楽しんだ。

 青空の下で時折、心地よい風が体を包み込むように通り抜け、陽気に押されるように思わず駆け出す子も。子どもたちは日々の生活にさまざまな恵みをもたらす最上川の圧倒的な包容力に触れ、「母なる川」たる理由を全身で実感していた。

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