大阪・関西万博前に村山を視察 ブルガリア中小企業庁長官

最上徳内記念館の古民家を視察するブルガリア中小企業庁のボイコ・タコフ長官(右)ら=村山市

 2025年大阪・関西万博のパビリオン建設の準備のため来日しているブルガリア中小企業庁のボイコ・タコフ長官らが28、29の両日、同国と交流のある村山市の観光施設を視察した。同国はパビリオンで同市との関係について紹介する展示を検討しており、訪問をきっかけに両者の交流をさらに深め、計画作成の参考にするとしている。

 一行は最上川美術館や最上徳内記念館などを訪問し、古民家などの展示を真剣な表情で眺めていた。熊野居合両神社(林崎居合神社)では居合道を体験し、タコフ長官は「ブルガリアの新体操と居合道の刀の動きの美しさは、通じるものがある。伝統を守る心にインスピレーションを受けた」とパビリオン建設に向けた収穫を口にした。

 ホストタウン登録をきっかけに発足した「むらやま新体操教室」の演技の披露もあった。タコフ長官は「両者の努力があれば、ますます交流行事は増えていくだろう」と今後の関係の発展を見据えた。

 同市は21年東京五輪で新体操ブルガリア代表のホストタウンとなり、団体競技での金メダル獲得を支えた。五輪後も交流は続き、同市は今年4月、万博参加国と地元住民の交流を支援する国の「万博国際交流プログラム」に選定された。10月には同国の新体操の指導者を招いた教室を計画している。

© 株式会社山形新聞社