大谷翔平、3冠王へ気になる“四球攻め” 8戦12四球も…鍵を握る225億円男と自制心

ジャイアンツ戦に出場したドジャース・大谷翔平【写真:ロイター】

12戦9発と絶好調も8戦12四球、タイトル争いの鍵は

【MLB】ドジャース 14ー7 ジャイアンツ(日本時間30日・サンフランシスコ)

ドジャース・大谷翔平投手は29日(日本時間30日)、敵地・ジャイアンツ戦に「1番・指名打者」で先発出場し、2試合ぶりの26号ソロを放った。12戦9発と量産態勢でシーズン50発ペースに。リーグの本塁打王争いでは2位のブレーブス・オズナに5本差をつけた。

一方で気になるのが四球攻めだ。7-7で迎えた延長11回無死二塁では、申告敬遠で勝負を避けられた。敬遠は2試合連続でリーグ4位タイの4個目。ここ8試合で3敬遠を含む12四球と“四球攻め”が激しくなっているが、相手のジャイアンツはワイルドカード圏内に3ゲーム差。落とせないゲームが続いており、当然の策だった。

ここまでキング独走の26本塁打を放ち、メジャートップの打率.321。62打点はトップのブレーブス・オズナに5差と3冠王へ射程圏内にいる。不動の1番だったベッツが左手骨折で戦線離脱する中、メジャー12年ぶり偉業の鍵を握るのはスミスだ。

ベッツ離脱後、ロバーツ監督は大谷とフリーマンを離し、2番にスミスを置くオーダーで臨んでいる。「ショウヘイの後ろには、とにかく“いい打者を置きたい”と思っている。それに私は左打者2人を切り離したいと考えている」。6月は74打数15安打の打率.203と状態が上がらなかったが、29日(同30日)は延長11回の決勝2点二塁打を含む3安打3打点。大谷が敬遠で歩かされた後だっただけに、より価値のある一打となった。

30日(同7月1日)のジャイアンツ戦、そして7月2日(同3日)からのダイヤモンドバックス、ブルワーズ、フィリーズとの試合でも四球覚悟の配球になることは容易に想像できる。だが、エンゼルス時代の昨年7月に四球攻めにあった際には、大谷本人はこうも語っていた。

「四球よりヒットの方が楽しいし、面白いというのはあると思いますけど、四球は1年間プレーしていく中で1、2を争うぐらい大事な物じゃないかなと思っている」。復活の兆しを見せたスミスの打棒と、この“自制心”がアーチ量産、タイトル争いのポイントとなる。(小谷真弥 / Masaya Kotani)

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