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そもそも狂犬病とはどのような病気か
狂犬病とは、狂犬病ウイルスを保有する犬や猫などの動物に噛まれることで発症する、人獣共通感染症です。150以上の国と地域で感染が確認されており、公衆衛生上の問題が生じているほか、家畜にも感染するため経済活動にも影響を与えています。
もし人間が感染すると、発症までの潜伏期間は個人差がありますが、1ヶ月前後で症状が出始めます。最初は発熱や頭痛など、風邪のような症状が出ますが、そこから重症化すると徐々に恐水症や錯乱、幻覚などの症状が現れ、最終的には昏睡状態から呼吸停止となって死に至ります。
狂犬病の恐ろしい点はこの症状もさることながら、現在でも有効な治療法が確立されておらず、一度発症すれば致死率がほぼ100%であることです。
狂犬病の予防接種をさせなくても問題ないのか
結論からいうと、飼い犬に狂犬病の予防接種をさせないのは、法的に大きな問題があります。
狂犬病の予防接種は、1950年に公布された狂犬病予防法によって定められた飼い主の義務です。違反した場合、飼い主に対して20万円以下の罰金が科されます。
ただし、過去に狂犬病予防注射で副反応が出た、飼い犬が癌治療中などの場合は、獣医師の判断で例外的に狂犬病の予防接種を免除される可能性があります。
日本では狂犬病は根絶されているのでは?
飼い犬に狂犬病の予防接種を受けさせない飼い主のなかには「日本では狂犬病にかかるリスクがないのに、注射を打つなんて可哀想でできない」「リスクがないのに予防接種を受けるのはお金がもったいない」という人も一定数いるようです。
その主張通り、日本における狂犬病の発症例は1957年以降確認されていません。
しかし、海外では依然として狂犬病の脅威は去っておらず、毎年多くの人や動物が命を落としています。日本では狂犬病が発生していなくとも、海外から日本国内へ再び狂犬病ウイルスが持ち込まれ、国内に広がる可能性もあります。
万が一の事態に備えて、狂犬病の予防接種は続けなければなりません。
ペットと周囲の人を守るためにも狂犬病の予防接種は必須
日本は世界でも数少ない、狂犬病の根絶に成功した国のひとつです。現在でも飼い主と飼い犬、そして周囲の人たちが安全に生活できているのは、間違いなく狂犬病ワクチンのおかげです。
そのため、狂犬病ワクチンを打たないのは飼い犬をはじめ、周囲の人たちを危険にさらす行為といえ、飼い犬が狂犬病を発症した場合、法律によって殺処分されます。日本では狂犬病が撲滅されているため、予防注射に毎年3000~4000円の出費はもったいないと感じる人もいるでしょう。
しかし本当に飼い犬が大切なのであれば、命を預かる飼い主の義務として、必ず狂犬病の予防接種を受けさせましょう。
出典
e-Gov法令検索 狂犬病予防法
e-Gov法令検索 狂犬病予防法施行規則
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー