松山の夏の風物詩“土曜夜市” イベントの裏側では数々のトラブル対応 若手警察官の一夜に密着【愛媛発】

松山の夏の風物詩、土曜夜市が2024年も始まった。大勢の人で賑わう夜の繁華街では、様々なトラブルも発生する。そんな中、街の安全を守る最前線である大街道交番で初めての“夜市パトロール”にあたった若手警察官に密着した。

初めての夜市パトロール

銀天街や大街道商店街を中心に、約200の露店が並ぶ土曜夜市。一日に、約5万人が訪れる松山の夏の風物詩だ。しかし、多くの人が集まるイベントの裏側では、数々のトラブルに対応する警察官にとって、大忙しの一日となる。

松山東警察署・大街道交番は、夜市の安全を守る最前線だ。

松山東警察署・大街道交番の田邑秀太巡査は、警察官になって2年目の23歳。初めて土曜夜市のパトロールを担当した。

午後5時、田邑巡査は頼れる先輩である、芳野真司巡査部長とコンビを組んで、初めての夜市パトロールに臨んだ。

「人の多さにびっくりしています」と田邑巡査は驚きを隠せない様子だった。制服を着た警察官がパトロールするだけで、犯罪を未然に防ぐ効果があると言われている。

トラブル対応の現場

30分後、交番へ戻ると、商店街でたむろしている少年らの通報が入った。大人数が集まると、飲酒や喫煙、迷惑行為などが行われるおそれもあるため、現場確認が必要だ。

現場に到着したが、それらしい少年グループの姿はなく、交番に戻ろうとしたその時、交番に落とし物の届け出があった。「何の落とし物ですかね」「財布ですかね、わかりました」と田邑巡査は対応する。夜市初日だけで、大街道交番には財布など、4件の落とし物が届けられた。

午後7時半ごろ、再び「少年らが集まっている」という通報が入り、現場に急ぐ。

10代らしき男女がアーケード近くの路地に集まっており、その数は20人以上。中には、タバコを吸う少女もいた。

田邑巡査は少女らを補導し、身元確認などを行い、解散させた。

安全安心を支える警察官を目指す

午後8時ごろ、再び落とし物のトラブルが発生。

子どもが雑踏で財布を落としてしまったが、該当する財布がすでに交番に届けられていた。

田邑巡査は「気を付けてね」と少年に声をかけ、再度なくさないよう約束した。

午後11時ごろ、夜市が終わっても田邑巡査のパトロールは続く。

「夜遅い時間でありますので、少年がいましたら、少年の方に積極的に声をかけて、帰宅を促していきたいと思います」と田邑巡査は語る。
たむろする少年グループもいたが、声をかけて帰宅させ、大きなトラブルはなかった。

記者が「初めての夜市パトロールは?」と聞くと、「自分自身では50点です。初め、緊張してしまった部分が普段通りの業務ができなかったかなと思うのでそれで50点です」と田邑巡査は振り返る。

先輩の芳野巡査部長は「頑張っていたと思うので50点よりは良かったかなと思います。このまま現場を重ねて経験積んでいってもらえたらと思います」と評価した。

「人が集まる部分で町の中心でもあるので、警察がいるから大丈夫と思ってもらえるような存在になりたい」と田邑巡査は語る。

地域の安全安心を支える警察官を目指し、田邑巡査の奮闘は続く。

(テレビ愛媛)

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