北村晴男弁護士の次女、父とのバラエティー共演「NG」にした理由「迷惑をかける」

インタビューに応じた北村まりこ【写真:ENCOUNT編集部】

父との関係は良好「すごく愛されています」

北村晴男弁護士の次女で俳優の北村まりこが今年、俳優デビュー10周年を迎えた。芸能界入り当初は父と一緒に多くのバラエティー番組に出演し、明るく元気なキャラクターで人気を得ていた。ただ近年はバラエティー番組で見かけることがない。なぜなのか。北村に理由や近況とともに次の10年に向けての理想の未来図を聞いた。(取材・文=中野由喜)

「親しかったマネジャーさんが辞めたのをきっかけに、所属していた芸能事務所を2018年に退所しました。19年からOVERTONEという事務所にお世話になっています。17年から劇団『柿喰う客』に所属しているのですが、今の事務所は劇団や舞台のことをよく分かっていて、理解を示してくれるんです」

10年前のデビュー時、ミュージカル出演を目標に掲げ、喜劇もやりたいと舞台に意欲を示していた。この10年はどんな活動をしていたのか。

「演劇をやりながら子ども向けのミュージカルの脚本と演出を手掛けたり、今年は4月には日本青年館ホール、5月に大阪公演もあった念願のミュージカル『チャーリーはどこだ!』にも出演しました。まさか今になってミュージカルの話がくるとは(笑)。少しですがソロで歌う部分もありました」

念願のミュージカル初出演を果たし、充実した10年に感じる。

「うーん、充実している時もあれば、してない時も。売れたいという気持ちとの闘いでした。仕事をしたくてもオファーがない時期もあり、もどかしさがずっとありました。将来、継続的に仕事が欲しいです(笑)」

芸能界入り当初はバラエティー番組に出演していた。知名度アップには効果的だと思うが最近は見かけない。

「最初はバラエティーに出て知名度を上げて、自分のやりたい舞台をやるぞ! と思っていました。ですが元々話すことが苦手でタレントとしての実力がなく、現場で迷惑をかけていつも申し訳ないと感じていました。自分に向いていないことをやっている気がして、つらかったんです」

ズバリ父とのバラエティー番組共演が無い理由も聞いた。

「バラエティー共演は私からほぼNGにしています」

衝撃的な言葉。何があったのか。

「父との関係は良好です。ただ、番組側から要求されたことに、バラエティーが苦手な私がうまく対応できず、父に迷惑をかけるのが嫌なんです。父は本来、本音をズバッと言うタイプ。それが共演時はちょっと違うのが申し訳なくて。父にはすごく愛されていて、一人暮らしの私が実家に帰る日時を知ると忙しい仕事の合間に1時間だけ私の顔を見に帰宅し、また仕事に出かけていきます。舞台も見に来てくれるんです」

理想の夫婦像を明かす「専業主夫が理想」

あらためて俳優の仕事について聞いてみた。

「舞台もやりたいし、映像作品にも出演したいです。この10年お芝居をずっと続けたいと思ってやってきました。この先も道を変えることはないと思います。お芝居が一番、自分に向いていると思っていますし、できることが芝居しかないという気持ちでいます」

芝居のどこに魅了されているのか。

「台本を手にした時、このお芝居をこれから自分がやれるというだけでワクワクするんです。ワクワクするからやっています。絵画などいろんな表現方法があると思いますが、私にとってはお芝居が自分を表現しやすいのかなと思います。その時、感じたことを、役を通して表現しています」

10年前と今とは何か違いはあるだろうか。

「10年前はいい子ちゃんすぎたでしょうか。今はいい意味で図々しくなったと思います。たとえば昔バラエティーに出ていた時、スタッフさんに指示されたことを断ったら企画を練り直すとか迷惑をかけると思って言われるままでした。今は自分の考えをきちんと言えると思います。いい意味でおばちゃんぽくなりました(笑)」

もう一つ10年前と違うことがあった。

「昔は、この期間仕事が決まっていない、どうしよう、オーディションを受けなきゃとか、ずっと焦りがありました。仕事をしていても焦っていました。それが今は、先のことを考え過ぎず、目の前の仕事に真摯に向き合い集中しようと考えられるようになったと感じます。この10年、焦りを無くし、集中できるように自分とずっと闘ってきたと思います」

ミュージカル出演の夢は女優デビュー10周年の節目でかなえた。次の10年はどんな時間にしたいのか。

「最近、子役の演技指導をやっていて、みんなに将来の夢を聞いたんです。そしたら『先生の夢は何?』と逆に子どもたちから聞かれ、ひねり出した答えが『帝国劇場のステージに立つこと』でした。これはデビュー当時に掲げていた夢です。すっかり忘れていたのに、この言葉が出てきた自分にびっくりしました。なので引き続き帝国劇場を目指していこうと思います(笑)」

続いて結婚観も聞いた。

「考えたことも、聞かれたこともないので、今、びっくりしました(笑)。1回ぐらいしてみたいと思いますが、結構、興味ないです。自分が子どもだからかもしれません」

理想の男性像はどうだろう。

「怒らない人。昔は優しい人と言っていましたが、優しくても怒る人はいるじゃないですか。怒られるとむかついちゃうので(笑)。全肯定してくれる人がいいです。もし私がめちゃくちゃ稼げる人になったら、旦那さんには家に入ってほしいです。子どもがいたらなおさら専業主夫が理想。しかも姓も北村にしてほしいです。娘としては父のような夫は嫌ですが、私が父のようになりたいのかもしれません(笑)」

□北村まりこ(きたむら・まりこ)1992年4月2日、神奈川県生まれ。北村晴男弁護士の次女で俳優。小6からミュージカルスクールに通い、洗足学園音楽大学の声楽コース卒業。2013年に芸能事務所に所属し『踊る!さんま御殿!!』や『行列のできる法律相談所』など多くのバラエティー番組に出演。父との共演が多かった。14年に舞台『暴走ジュリエット/迷走クレオパトラ』で俳優デビュー。その後、舞台を中心に活動。17年に劇団『柿喰う客』に所属し、18年には事務所を辞め19年に現事務所のOVERTONEに所属。中野由喜

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