暴力団に恩義、通販会社が30万円を渡していた 山口組弘道会の傘下組織「守ってあげた」 金銭トラブルを解決してもらい、口座に振り込んだ会社「助けてもらった」

県暴排条例に違反 県公安委、事業者などに勧告

 埼玉県暴力団排除条例に違反して利益を供与したとして、県公安委員会は28日、県内で輸入雑貨通信販売会社を実質経営する事業者に勧告を行った。事業者から利益を受けたとして24日、指定暴力団山口組弘道会傘下組織組長の暴力団員にも勧告を行った。

 県警組織犯罪対策(組対)1課によると、2月10日、事業者が暴力団の威力を利用することなどの対償として、現金30万円を暴力団員が指定する銀行口座に振り込んだ。いずれも勧告内容を認め、事業者は「金銭トラブルから助けてもらったことに恩義を感じ、庇護(ひご)の対価として現金を渡した」、暴力団員は「守ってあげたという認識で現金を受け取っていた」と話しているという。

© 株式会社埼玉新聞社